わたしの名前は春風 天。
天って書いて「そら」と読む。
私は文芸部に所属する中学2年生。友達と一緒に物語の作成など頑張ってます!
これは春の出来事
ー4月 中旬ー
「そら〜!部活行こ〜」
この子が私の友達。名前は一宮 絢水(いちみや あやみ)。
部活で喋っているうちにこんなに仲良くなったの!
「うん。行こっか!」
「私達の部に、新一年生来るかなぁ」
「来るといいけどね…割と影薄いからなぁ(汗)文芸部」
そんなことを言いながらも私達は部活を楽しんだ。
幸せはあっという間に終わった。
もう、下校の時間だ。
「そら、バイバーイ!また明日ね」
「うん!またね!」
方向が違うためすぐにお別れになってしまう。はぁ。
まぁ、また明日も会えるしいっか!
そう思いながら私は桜の花びらが散る道を歩いた。
(桜がもう散ってる。早いなぁ)
春ももう終わってしまうのだろうか。ときが過ぎるのは早い。
「あ、てんとう虫。」
春らしい。なんてことを考えた。てんとう虫は幸福を運んでくれる虫らしい。
「大丈夫だよ。私は十分幸せだから!」
まぁ、本当に運んでくれるなんてことはないかもしれないけれど、どうせなら私なんかじゃなくて他の人を幸せにしてほしい。私もいつか人に幸せを運べるようになりたい。
私は軽い足取りで家へ帰った。
その時だった
「うわっ!」
足元にある小石に気づかず躓いてしまった。
私は
てんとう虫に
気が付かなかった
そのまま
うぅ…重たい。 え?重い? なぜ?
?「痛たたたた」
(?私の上に誰か乗ってる?)
私は自分の上に乗っている何か重いものから離れた。
ん?んん?ンンンんん?
妙に空が遠く、すべてのものが大きい。いや、違う。
私が
小さくなっている。
?「ええええええええ?!?!?!」
うるさっ!びっくりするじゃん!と思いながら後ろを振り向くと私がいる。
目をまんまるにした私がいる。
「人?!ヒトになっちゃった?!」
だからもう喚かないでって、うるさいから。けど、相手(私)が驚いているってことはどっちもどういう状況か理解できていないということ。…めんどくさいことになりそう。
そうすると私のことに気がついたのか、さっきまで喚いていた私がこっちを向いた。
「わぁ?!びっくり!なんで?!」
これは一回話したほうがいいやつだ。
「なるほど〜!じゃああなたがこの体の持ち主様なのね!」
自分と会話するという不思議。なんだか気持ちが悪い。声も顔もぜ~んぶ私。なのに、言ってることは全然違う。
「いやーさっきまで『てんとう虫』だったのに不思議な感じー。ねぇねぇ!ヒトって何食べるの?何するの?」
ここまででわかったことをまとめよう。
1人間だった私がてんとう虫になり、てんとう虫だったやつが人間になった
2戻り方がわからない
3うるさい奴
4息が合わない
まぁこんな感じかな。ってか、本気でどうしよう。
さっきまで案外冷静だったけど急に怖くなってきた。え?てんとう虫?手のひらを返すようです悪いけれど、全然幸福運んでくれないじゃん!何が幸福だよ。不幸だわ。何食べればいいんだろう。どうやったら生きていけるんだろう。
「ねぇねぇ聞いてる?」
聞いているわけない。ていうか聞きたくない。自分の声を。
まさか、「人に幸せを運べるようになりたい。」がこんな形で叶うなんて思わなかった…
てんとう虫:上へ上へと移動する習慣から「天道虫」と呼ばれ、縁起のいい虫として好まれて いる。16世紀に来日した宣教師が『神の虫』と説明したのが広まっている。
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