君と出会ったその日から

「はぁ」

晴、大丈夫ですかねぇ…。まあ私も馴染めるか不安ですけど。

…ん？誰か近付いてきて…？

「なあ！もしかしてお前ハヤト…？ハヤトやんなぁ！？」

…何故この人は私の名前を…！？

…はｯ、この声もしや

「不破さんですか！？」

「せやで！！」

「わぁ！お久しぶりです！」

まさか不破さんと同じ高校だったなんて！

「ハヤトはもうちょい偏差値高めの高校やと思ってたからびっくりしたわぁ」

「あはは、そうですかぁ」

晴が行きやすそうな高校を選んだなんて言えない…！絶対に言えません！恥ずかしいので！！

「そういえば、ハヤトの幼馴染くん元気？」

わぁ、とても急ですねぇ。

「元気ですよ。でもまだ人と関わる事に抵抗があるようで…」

「そっかぁ」

私は中学時代、他校だった不破さんと何故か仲良くなり、よく晴の事を話していたんです。不破さんは聞き上手で、私ばかり話している事が多々ありました…笑。

「はい、ですがちょっとした返事はできるようになってまして」

「お、成長しとるやん。」

「そうなんです！！」

「あははっ！ホントにハヤトは幼馴染くんの事が好きなんやなぁ！」

「ぇぁ、は、はい！お、幼馴染として！ですけど！」

「え？うん。あっ！もしかしてハヤト…」

「ち、違いますからね！？」

流石にこれを知られたらマズイ！！晴に気持ち悪がられる！不破さん口軽めだから晴に言いかねない！

「そっかぁ〜。ハヤトそうなんかぁ〜！」

「ちょっと！ニヤニヤしないでください！」

「絶対誰にも言わないでくださいよ！？」

「わかってるってぇ」

「うわぁ〜！信用できない！」

「えぇ？信用してやぁ〜」

まあ、こういう大事な事はちゃんとやるか、不破さんは…。多分。

…開き直ると、私、加賀美ハヤトは幼馴染に恋をしている。小学生の時、晴に喋りかけようとしていた人達に嫉妬心を抱いていることに気づいた時から。うぅ、晴は私の事をただの幼馴染としか思っていないんだろうな。

今の所、この想いを晴に伝えるつもりは無い。そのせいで今の関係が崩れたらもう、ホントに、耐えられない！！

「ハヤトもついに恋をする時が来たかぁ」

「ちなみに初恋？いつから好きなん？」

「初恋ですよ…。小学生の時から好きです。あと、もう少し声を抑えてください…！」

「あ、めんごめんご」

「全く…」

そんな事を話していると…。

「あ、予鈴鳴っちゃったなぁ」

「そうですね。また後で」

「ん、了解！」

ーーー

まさかハヤトが幼馴染くんの事好きやったなんて。まあ、あいつちょっと見た目は良かったし、しゃあないか。

「初恋、実るとええなぁ」

まあ、嘘やけど。