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翌日、教室は朝からざわざわしていた。
「聞いた? 昨日の放課後、ミユ先生とコビー先生、肩が触れてたらしいよ」
「えー、やっぱり付き合ってるのかも!」
噂は瞬く間に広がり、生徒たちは休み時間になると廊下や教室で話題にしていた。
「今日も二人、なんか雰囲気違うんだって!」
「放課後も教室に二人だけで残ってたらしいよ!」
職員室でも、わずかにその空気を察知した他の先生が、軽く問いかける。
「最近、二人は仲が良いようだね?」
コビーとミユは互いに目で合図を交わす。
ミユは鋭く答える。
「……何のことですか?」
コビーは穏やかに微笑む。
「ええ、単なる仕事のやり取りです。気にしないでください」
しかし、二人の微妙な距離や表情、声のトーンは、生徒たちの想像力を刺激する。
「やっぱり怪しい……!」
放課後、教室で資料整理をしている二人の背後には、噂を聞きつけた生徒たちの目が光っている。
ミユは冷たく睨みつけるが、内心では少しだけ笑みを含ませる。
「……次はもっと注意しないと」
コビーは微笑みながら肩に手を添える。
「ええ。でも、こうして秘密を守っているのも、少し特別な気分ですね」
学校全体に広がる噂の中、二人はまだ秘密を守りつつ、互いの存在を確かめ合う。
秘密の恋は、生徒たちの興味を集めながらも、今日も静かに、そして確かに続いていた。