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昼休み、一年生A組の教室はいつもよりざわざわしていた。
「昨日の放課後、二人だけで教室に残ってたって本当?」
「え、あの肩に手を置いてたやつ見たんでしょ? 絶対付き合ってるよ!」
ついに、生徒たちの間で先生カップル説が「確信」に変わろうとしていた。
その瞬間、ミユが教室に入ってくる。
「……なんですか、そのざわめきは」
生徒たちは少し顔を赤らめながらも、勇気を振り絞る。
「えっと……先生たち、付き合ってますよね?」
教室に静寂が訪れる。ミユは瞬時にコビーを見る。
「……なんで知っているの?」その声は厳しく、冷たく、教室の空気が一気に張り詰める。
コビーは微笑みを浮かべ、ゆっくりと頷く。
「ええ、その通りです。僕たちは付き合っています」
生徒たちは一斉に驚き、教室中がざわめく。
「やっぱりー!」
「うわー、やっと分かった!」
ミユは冷たい表情を崩さず、生徒たちに言う。
「……これ以上詮索する者は、宿題を倍にするわよ」
コビーは肩越しに微笑みながら、生徒たちの興奮を和らげる。
「落ち着いてください。僕たちは教師ですから、節度は守ります」
生徒たちは驚きながらも、二人の距離と表情から確信を得た。
教室の中で、二人の秘密の恋はついに明るみに出たのだ。
ミユはコビーの手をそっと握り、低くつぶやく。
「……これからも油断しないでね」
コビーは微笑み返し、手を握り返す。
「ええ、もちろんです。これからも二人で、ですね」
秘密の恋は、ついに生徒たちに知られた。
しかし、厳しいミユと温厚なコビーのバランスによって、二人の関係は日常の中で特別で穏やかなものとして守られていた。