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「なら・・・もっと早く来てくれれば・・・ちゃんと会えたのに・・・」
「ごめんごめん。なかなかその時間まで動けなくて」
「パーティーでも、ホントは会いたかった」
「うん。オレも透子あの日見かけて、ホントは声かけたかった」
「えっ? 気付いてたの?」
「もちろん。オレが透子見過ごすはずないでしょ」
「だったら」
「でもあの時は、オレの中でまだ準備出来てなかったから」
「準備?」
「そう。あの時、声かけたところで、透子戸惑わせるだけだし。実際そこで声かけられたところで、まだオレとしては何も出来なかったから」
「そっか・・・」
「だから、ちゃんと全部準備万端にして、迎えに行くってそう決めてたから」
「そう、だよね」
「でも、やっぱオレも透子に会いたくて仕方なかったし、美咲さんに店でオレのことで荒れてるって聞いて、いてもたってもいられなかった。あの時は正直オレも何も考えずに気持ちだけ突っ走ってただけだったから」
あんなにもずっと我慢してたはずなのに、会いたい気持ちはやっぱりそんな我慢も決意も軽々と超えてしまう。
透子にあの時会ってどうなるだとか、そんなことももう考えられないほどに。
ただ透子に会いたかった。
「だから、あの時、透子酔い潰れてた後でよかったかも」
「なんで?」
「あの時もし透子酔い潰れてなかったら、間違いなくオレの気持ちも止められなかったから」
もしかしたらあのタイミングで透子に見つめられたら、気持ちを伝えられたら、オレはまた決意が揺らいでいたかもしれない。
「そしたら、また透子混乱させて傷つけてたかもしれないからさ。あのまま透子が気付かないままでよかった」
何の言い訳も考えもせずに、オレはどうしようとしてたんだろう。
「そっか。そうだね。今まで待った意味ないもんね」
「うん。ここまで透子に待っててもらった以上、これ以上は透子傷つけたくなかったし、ちゃんと迎えに行きたかった」
「うん」
オレ達が離れた意味を無駄にしたくなかった。
ちゃんと意味あるモノにしたかった。
これから先ずっと一緒にいるために。
これから先一緒に幸せになるために。
どんなことがあってもオレには透子だけだったから。
透子以外この先の人生考えられなかったから。
だから、きっとオレは何度離れたとしても、透子を迎えに行く。
オレたちがどうなっていこうと、どれだけ月日が流れても、オレはこれからもずっと、透子だけを想い続けるから。
「ずっとオレを好きでいてくれて、待っててくれてありがとう」
「こちらこそ。ちゃんと迎えに来てくれてありがとう」
お互い信じ合おうと約束したから。
だから今があるとそう思えるから。
きっとオレ達なら大丈夫だと信じていたから。
信じ合えた二人でいれたから、お互い想い続けていたから、今の二人の幸せがある。
結局はただどうやったって好きで、どうやったって一緒にいたくて。
一時一緒にいられなくなったとしても、その先一緒にいられる未来を信じたかった。
心から幸せだと思える今を一緒に過ごすために。
ただ隣にいてくれればいい。
ただ隣で笑ってくれればいい。
ただ一緒にいられるだけで、それがどれだけ幸せなことか、オレ達はもう十分わかっているから。
きっとオレはどうやったって透子を好きになる運命で。
きっとどうやったって透子と巡り合うような気がするから。
だからこうなることはきっと運命で。
柄にもなくそんなことを言いたくなるほど、今のオレは幸せだから。
二人でいられる幸せ。
これからは一緒に感じ合える幸せが、オレ達には待っている。