この作品はいかがでしたか?
710
この作品はいかがでしたか?
710
続きです
とうぞ!
⚠太中⚠
⚠BL⚠
⚠男性妊娠⚠
太宰 「ちゅ、中也?」
中也の余りにも以外すぎる反応に私は戸惑いが隠せなかった。
中也 「俺は…親じゃ……ない…」
1度目のこの言葉は許す事が出来た…が……
中也 「俺は親でもなんでもないから……何も求めちゃ…」
私の中で何かが切れる音がした。
太宰 「君は親に決まってる、君が産みたいと言って産んだ子供が2人もいる。それなのに何故自分は親では無いと言うの?意味がわからないよ、愛おしそうに桃花や結糸の居たお腹を優しく撫でていたじゃないか!!」
怒りだ。
中也が全てを諦めてしまっている事と、中也をここまで弱らせてしまった自分に対しての。
太宰 「お腹を痛めながら頑張って産んだんじゃないか!自分で!!その痛みも喜びも全部忘れたって言うのかい?!いや、そんなはずは無いだって中也はあの時…あの子達が生まれた時涙目になりながら喜んでいたもの!!」
中也 「ッ……でもッ」
太宰 「何と言おうが私は君が親じゃ無いなんて認めない…」
そう、私は
太宰 「中也とじゃなきゃ子供が欲しいとも自分1人でも育てようとか思ったりしない!!」
中也 「ッ…だってッ……」
そこまで言って私は中也を見た。
中也は今にも泣いてしまいそうな顔をしていた。
涙を目に沢山溜めて…泣くことを我慢していたのだ。
太宰 「(やってしまった……)」
人に怒りをぶつけるなど1度もやった事がなかったのに…
なんで中也相手だとこうも上手くいかないのだろうか。
いや、今はそんな事よりも中也だ。
中也は泣く事を恐れている。
理由は昔中也が私に話してくれた。
ーーーーーー
太宰 「(あ”ー…暇だなぁ……)」
僕は何時も中也と行動していたから1人になるとやることが無く暇をしていた。
散歩でも行こうかなと思いポートマフィアの廊下を歩いていた時だった。
?? 「ッ……クッ……グスッ」
ふと、誰かの押し殺すような泣き声が聞こえたのだ。
太宰 「……?」
そう、聞こえてきたのは今は殆ど使われていない忘れ去られたような部屋の中からだったのだ。
僕は築かれないようにそっと静かに扉を開けて声のする方へと進んで行った。
するとそこには……
太宰 「中也…?」
そう、蹲って小さくなった中也が声を押し殺しながら泣いていたのだ。
その光景はとても綺麗だった。
私の持っていたロウソクの光に滴と潤った中也の瞳がキラキラと輝いていたのだ。
でも、その感情はすぐに違う物へと変化した。
中也 「だ……ざい…何で此処に…」
太宰 「そんな事は今僕の中でどうでもいい…」
その感情は怒りだ。
僕の恋人である中也を泣かせた怒り。
この感情はすぐには収まることの出来ない所まで来ていたのだ。
太宰 「誰に泣かされたの…?」
僕は怒っているのを悟られないように優しく声をかけた。
中也 「……俺に構わなくていいよ?」
僕の質問に返されたのは弱々しく何時もの中也からは想像なんてできない声だった。
その事もあり僕の怒りはどんどん増していった。
太宰 「じゃあさ、何でこんな所で泣いているの?」
中也 「ッ……お…俺が泣いてる所なんて……誰も見たくねぇだろうし…”化け物”は泣いちゃ…いけな…」
太宰 「中也は化け物なんかじゃ無い…」
中也 「でもみんな……」
太宰 「みんなって誰だよ……」
僕は遂に口までもが悪くなってしまった。
中也 「ッ……」
太宰 「其奴ら連れてこいよ…」
太宰 「僕が殴ってあげるから……中也が殴らなかった分まで…」
中也 「ッ……グスッ…………ありがとな…」
中也は涙を流しながらでもとても嬉しそうに僕に笑顔で抱きついてきた。
太宰 「うん…」
ーーーーーー
太宰 「中也……私ね…もう一度チャンスが欲しいのだよ」
中也 「チャンス……?」
太宰 「うん…もう一度私と親になって貰えるチャンスが……」
中也 「ッ……」
太宰 「私さ…結糸の名前の意味……教えてなかったよね?」
中也 「……コクッ」
太宰 「結糸は…中也と私の”糸”が永遠に”結”ばれますようにって意味で付けたんだ……」
私が結糸の名前に込めた意味を伝えると中也の目から透明な滴がポツポツと頬を伝って行った 。
中也 「ッ……しらなッ…かった…ッッ…!」
中也は嬉しそうに私を抱きしめてきた。
だから私もそっと中也の背中に手を回し力いっぱい抱きしめた。
中也 「なぁ……太宰…」
太宰 「ん?」
中也 「俺も太宰に桃花の由来言ってなかった」
太宰 「確かに……」
私の好きな花だからってのもありそうだけど……
中也 「太宰の思ってる通り…お前の好きな花が桃の花ってのもあるけど……」
太宰 「?……うん」
中也 「桃の花の花言葉が”私は貴方の虜”って意味なんだ……」
それを聞いた途端に私はさっきの答えが返ってきのでは無いかと思った。
太宰 「ちゅ…中也それって……」
中也 「わかってんだろ?」
それから私は自分でもわかる程に顔が熱くなった。
今回はここまでです。
多分次回が最終話です!!
コメント
11件
一言だけで言うと「天才ですよね」大好きです(なぜ告白?)
うわ尊いっ!!! お互いの信頼がわかるっていいですね…!
わぁっ!好きです!!中也の事で怒ってる太宰さん......良い✨