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【注意】
・祓い屋について少し変えている部分があります。
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(零さんの瞳はいつも黒色の十字形の瞳孔よね。でも本で読んで見る限り生前時は海王星のような瞳だったとか……確かに、私が気を失う寸前その瞳を見た……)「そもそもあれってそう簡単に変えれるの…?」
寧々にしては珍しく、あれこれ考察しているがやはり柄にもないことはやらない方がいいのかもしれないと実感した。
「…花子くんも、月みたいな瞳よね……」
知っているかどうかと聞いた日からまるっきりその話に触れようとしないのが気になる。まあ、どれだけ隠していても寧々には全てお見通しなのだが。
「こういう時は、大人に頼るのが正解よね!」
と、完全に土籠に頼ろうと教室を出た。つまりは、他力本願というやつだ。
***
「土籠先生!」
「また、お前か。昨日といい、今日といい…はあ。それでなんだ?」
昨日からの寧々ラッシュに頭を抱えているようだ。
「土籠先生って、零さんの教え子だったんですよね?」
「…そうだが、なんだ?」
「その時の瞳ってどうでしたか?」
「どうも何も、前貸した本と内容は同じだ。印象に残りやすい。…というより、立花姉妹のことならお前の近くにいるじゃねェか」
「え?……あ、確かに!じゃあ、聞いてくれば良いんですね?」
「まてまて。そうはいかんだろ。あいつは祓い屋だ。元々祓い屋ってのは一般人に知られちゃいけねェ存在だ。そう易々と情報を言うことはないだろう」
「んー…確かに。光くんもそんなことを言っていたかも…」
「それだけだ。直接本人に聞いても答えてくれないだろう。源にでも祓い屋はどういうものか聞いてみろ。そしたら何か見つかるかもしれねェ」
「なるほど…わかりました、ありがとうございます!」
───────────
「光くん!」
「先輩!お疲れ様です。どうかしたんですか?」
「あのね、祓い屋について詳しく教えて貰いたくて」
「別にいいっすけどそういうことなら俺より輝兄の方が……」
「ううん、光くんがいいの!」
と、食い気味に言う。
「そ、そうっすか…」
廊下では話しにくいため、屋上で話をしようと場所を変えた。
***
「祓い屋っていうのは三つあって、源、立花、神楽坂が柱となっています。それぞれ扱う霊力を改変させるものが違ったり、担当する区画が違ったり……細かなところが違います。それから……」
「何の話をしているのかな?光」
「っげ……輝兄…」
光の兄である源輝が光にニコニコと笑顔を向けている。どうやら気付かれていたようだ。
これは隠しきれないと二人は腹を括って正直に話した。
「ふーん……祓い屋のことをねー…」
笑顔は絶やさないが目が笑ってない。そんなときでも寧々はこんな会長もステキと思っていた。
「まあ、八尋さんならいいかな。でも光、次は無いからね」
「う…はい」
「…それで、八尋さんは何が聞きたいのかな?」
「えっと、立花家についてなんですけど…」
「立花さん家ね……」
一瞬、目付きが鋭くなった。が、直ぐに戻る。
「立花家は祓い屋の中でも最も歴が長い。そして百年に一度、惑星の加護を受けるものが産まれてくる。今は任務で出会うことはないけど煌神さんの姉の一人はその加護を受けていた」
「その一人って…」
「立花影神さんの妹、立花光神さんだよ。彼女とはあまり会うことはなかったけど最初の会議に居合わせたからね」
「ちなみに、影神さんってどんな瞳だったんですか?」
「漆黒。光を映さない、全てを呑み込むような黒色だったよ。立花家で初の例外だったらしいけど」
「漆黒…」
確か、本にもそんなことが少しだけ書いてあったかもと思い出す。でも何故その影神だけは漆黒だったのだろうか。
「…幼少期、影神さんとはよく共同任務で一緒になることが多かった。彼女はとても強くてね、幼いながらにも剣の型はしっかり出来ていたし応用も利いていた。剣捌きで彼女の右に出る者はいないんじゃないかな」
「そんなに強かったんですね…!」
(零さんも強いのに…それを上回る強さなのね…!)
「そういえば、光神さんとは一緒に任務に出なかったんですか?」
「ああ…いや、一度だけ。姉の代わりにと任務に出たことはあったかな」
「どうでしたか?」
「彼女も彼女で影神さんとはまた違った強さがあったよ。霊力が高いからその分怪異を早く察知出来るし…色々と応用が効くよ」
最後の最後で説明が面倒になったのかふわっとした終わり方になった。
「そうなんですね…」
「まだ質問はあるかな?」
「一応、その神楽坂さんというのも聞いておきたいです」
「あの家は姉妹。霊力を炎に変えて怪異と戦う。それに神楽坂家は特殊でね。付けた名前の加護を受けることが出来るんだ。昔、あったことがあるけど姉は透倭、妹は雪雫だったんだけど…この前の会議で名前が永環に変わっていたよ。それから姉がいなかった」
「なんで変えたんだろう…」
「こればっかは僕にも分からないな。おっと、もうそろそろ五限目だよ」
「え?!本当だ!あ、源会長ありがとうございました!光くんも!」
そう手を振りながら走るが廊下は走っちゃダメだよと輝が言うとはや歩きに変わった。
「さてと、光」
「…なんだ?」
「この後お話しようか」
ニッコリ言われ光は頷いた。
その様子を赤色の人工的な光が見ていると知らずに。