「あ、もしもし。」「はいよ。」「ビンゴ。京ちゃんの言ってた通り、小さくなってる。」「悪いんだけど、15分以内にある程度回復させといてくれない?」「15分かー、状態にもよるけど、なにをしたの?」(事情説明)「というわけ」「棒倒しは仕方ないよね。とりあえず、最善は尽くしてみる。」数十分後「お、終わったかな?もしもし」「あ、京介?」「おん、そうだよ」「すまんな、僕の問題に巻き込んじまって。」「気にするな。一応事情は聴いてる。そして、八百長防止でこの会話はスピーカになっててこの場にいる全員に聞こえてる。」「問題ない。ということは、両団長ともその場にいるんだよな。」「ああ。あと証人として校長もいる」「ヤッホー。角田君元気にしてた?」「まあ、ご想像にお任せします。校長先生もお元気そううで。」「あはは、最近妻に内緒でクラブを買ったらすごい怒られたよ。」「それは、大変でしたね。僕も新しいゴルフカバンを買ったらお母さんに怒られました」「話しが盛り上がってるところに水を差す申し訳ないが、話を戻してもいいかい?」「ああ、申し訳ない」「単刀直入に聞く。練習に戻る気はあるの?」「あるよ。あるけど」「あー。戻りたいけど、体が言うことを聞かない」「そうだよ」「分かった。じゃあ、2137戦は俺の勝ちだな。今、2136戦799勝799敗538分だから、次の勝利のキリ番は俺のもんだな。負け犬が。負け犬の心配をしただけ損したわ。あ、分かった。天皇皇后両陛下が見学なさることで緊張し、醜態が放送されるのが怖いから戦いを避けたいと考え、そこに今朝の事件を理由に逃げられると考えたのか。天才だね。」「誰が負け犬だと?」「角田。おまえのことだよ。先輩に1回怒られただけで、凹んで。自分の無力さを悔やみ、現実から逃げてる人間のどこが負け犬ではないんですか?わからないので教えて?負け犬君」「もう許さん。首を洗って待ってろ」角田は電話越しに言い残すと、一方的に通話を終了した。「白団団長。とりあえず、角田のやる気には火をつけたんで、これで練習には参加するようになると思います。どう扱うかはお任せします。私たちはこれで失礼します。団長、練習しに行きましょう。圧倒的な力の差を見せつけるためには、今のままではまだ力が足りません。それでは校長、失礼しました。」「え。あ、失礼しました。ちょっと、待ちなさいよ。ほんとに大丈夫なの?ねえ、里臣君。」赤団の二人は校長室を出ていくと、静寂が訪れた。そして、里臣が座っていた椅子の上には紙切れが置かれていた。
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