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てんさい
窓に打ち付けられる雨の音、何日経っても晴れぬ空。この雨はいつまで続くのか、何時になったら空が見えるのか。
第一章 「皆が泣く夢々」
─2027年、私が住んでいる日本は、一昨日から雨が降り続けている。空は暗く、雨雲は動かず、何故か日本に留まり続けているのだ。其の所為で至る所で水害が起き、大変なことになっている。東京は沈み、北海道は街が凍りつき、通行手段のほぼ全てが機能しなくなってしまっていた。その事に対して、ある人は嘆き、またある人は怒り、さらに陰謀論を唱える人、絶望した人も居た。実際、私もその中の一人で、雨にうんざりし始めていた。そして雨が降り始めて二日がたった頃だろうか、私は夢を視た。それは雨の中で皆が泣き、何処からか笑い声が聞こえてくる夢だ。笑い声の正体を見つけようとしても、どこにも居ない。夢には、泣く人々しか居なかった。そして、私が路地裏のような所を右往左往していると、一際大きな声が聴こえた。
「貴方は泣かないの?」─
その聲を最後に、夢は終わった。私は起きた瞬間、周りを見渡した。あの聲の元が気になったからだ。そして数秒経つと私は我に返り、安堵した。あの声が聞こえた時、寒気がした。身体全てが、拒絶反応を起こしたのかと思うぐらいあの声は恐ろしかった。私は何度か深呼吸をし、窓を見た。外は何時ものように雨が降り続けていた。そうして心を落ち着かせ、携帯でSNSを見る。何時間か見ていると、ある投稿が目に止まった。ある人が、考えられない投稿をしていたのだ。
『なんか雨の中に晴れてる部分あるんだけど』
そんな文章と一緒に、雨雲の中に晴れた所があり、星が中心にある画像が貼られていた。他にも似たような投稿が何個もあった。場所は長野県下伊那郡阿智村で、どうやら10月か11月辺りに見つかったみたいだ。その星はどうやら初めて見つかったようで、周りと違うことで、嘘からとって「ライア」というそうだ。何故晴れるのかは分かっていないみたいで、多くは謎に包まれてるらしい。まあ当たり前だろうが。正直こんなこと考えても意味無い為、リビングに降りる。朝御飯をつくり、雑事を済ませる。そしてベッドに寝転び、携帯を弄る。適当に眺めていると、雨に対する不満等の話で溢れている。その中に、1つ特異なものがあった。それは人の形をした星座が発見されたことだ。