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緑茶は飲めないが紅茶は飲める
緑茶は飲めないが紅茶は飲める
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ごめんね、わたしの時間には価値があるの。あんたによこしてもらいたいものなの…。
吐きそうに顔を青くするあんたは、わたしが膝に手を置くとこう言うの。
お前のからだが好きだ。スタイル…目…髪の毛……。
ごめんね、だからタクシーの中だけど待たないわ。飲ませ過ぎちゃった♡
「やめとけ」
バーテンにカウンターで言われ、レディは口を半分曲げる。
「なによ?恋人の命日なわけ?じゃ一大事ね。私意外の他の女とは寝れない…」
レディはにやりとして近づいた。
「FBIの捜査官だとよ…」
きゅっ!と鳴ったコップに、レディは顎をやる。注がれたウォッカを傾ける。
「じゃ、あんたわたしが誰か知ってる…?」
ナッツの殻を床に落として、レディはまた笑った。
「【問題児】」
滑り込むようにあんたの隣に行く。
とびきりセクシーなのは酔ってるから?それともなにか怒ってんの?
「んん…」
って髪を後ろに流したら低く唸って、わたしのアクセサリに引っ掛かりそうになる。前髪だけカーリーなの?可愛い。
「ブラッディメアリーなんてシケたの飲んでないで…もっと価値のあること考えて生きたら?」
「…今ここにいる俺よりも?」
レディはまた笑った。自分の色気をわかってるのね。気に入った。
「じゃあ【それ】くれる?」
あんたは耳元で囁く。
ふさわしいなら……。
それはこっちのセリフよ。日系人の男は慎重で口説くのに時間がかかる。
飛行機の荷物検査は1番早く通過するくせに。
「もちろんよ、たくさん話しましょうね…」
わたしがあんたにふさわしいんじゃない。あんたの時間が、わたしにふさわしい……。
レセプションでタクシーを呼んでるのよ。あなたに会う前からすでに手配済みなわけ。
あんたは飲む度に話すスピードがメロウになる。ほらほら…もっとわたしふさわしくなるの……。
だから寄越してくれる?あんたの時間…。
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