応援する,とはいったけどそんなにすぐ受け入れるような人を私だって好きになっては居ない .
半年間想い続けてやっと最近仲良くなれたと思っていたのに .
でもだからって友情を捨てるわけには行かない
葉月だって私の大事な親友でずっと支えてくれた存在だ . それにもし葉月が奏汰にアピールしたら奏汰はきっと葉月を好きになるんだよね .
葉月のさらさらで綺麗なロングヘアーはまさに奏汰のタイプそのものだった . 葉月の明るく優しい性格もきっと奏汰は好きだろう .
「 もう … 諦めるしか . 」
次の日から私は奏汰と距離を置くようになった
関わったらまた好きになってしまう . でも君の笑った顔を横目で見るたびに好きの気持ちが消えることはなかったよ .
2024年10月
葉月からそんなことを言われてからもう一ヶ月
私の気持ちは時間が解決してくれると思ってたのにそんなことはなかったみたいで今もずっと気持ちは消えないままだ . そんな自分がグダグダしてる間にも2人はどんどん親密になっていった .
「 あのさぁ , 茉白 」
突然声をかけられ振り返ればそこには奏汰が居た
「 え , あなーに?どうしたの? 」
「 ちょっと相談あって , 」
私はそう言われ奏汰の言うままについて行った
着いたのは裏庭のベンチだった . こうして2人で過ごすのは何時ぶりなんだろう . そんな気持ちに浸っていると奏汰は話し始めた .
「 実はさ , 俺葉月の事が好きなんだよね 」
その言葉を聞いた途端喉が詰まる
「 だからさ,応援してくれない? 2人って親友じゃん . 協力してほしくて 」
ああ駄目だ , またこれだ . また私は親友だったことを恨んでしまう
そんな事を考えていると自然と私の頬に涙が落ちてくる
奏汰は驚いたような顔をして私を見つめてくる
その目には心配するような雰囲気を感じた .
今すぐにでもこの場から逃げ出したい . でも逃げ出すことなんて出来ない . 私はこの気持ちを伝えられないまま応援なんて出来ないから .
思いたった私は奏汰に気持ちを伝える
「 私ね , 奏汰のこと , ずっと好きだったの . でもね , 私 , 奏汰のこと … 応援したいんだ . 確かに悲しいけど , 今も … 泣いちゃったけど . 好きな人の幸せ , 願ってたいから 」
私の思っていたこと , 伝えたかったこと , すべてを伝えた .
奏汰は相変わらず驚いた顔をしていた . 現実を受け止めきれないような , でも真剣に此方を見つめていた . そのどこか優しい曇りのない目は私の大好きな奏汰のままだった .
最初から振られることぐらい分かっていた .
分かっていたのにいざその時が来るとこんなにも辛いことだとは思わなかった .
奏汰が口を開く
「 ごめん . 俺 , 茉白の気持ちを全然気づいてなくて … こんな茉白にとって一番辛いこと頼んだりしてごめん . 」
申し訳なさそうに見つめる彼の目を私も少し見つめ返す .
「 ううん , 大丈夫だよ . 私 , 応援するね! 」
必死に作り笑い , 涙でグシャグシャになって赤くなった目で笑う私の顔を奏汰はどう受け止めたのかな .
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