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06 手遅れの意味
「ねえねえ聞いて!私夏祭り好きな人と行くことになった!」
私・ベルがななっしーに報告をすると、「よかったじゃん」と帰ってきた。
それもいつも見たいなから返事じゃなくて、心の底からの返事みたいだった。
「なんか__変な感じ。」
私がぼそっと呟くと「なんか言った?」とちょっとキレ気味の返事が返ってきた。
やっぱななっしーはこうでなくちゃ。
「そういえばさぁ、ななっしーは好きな人いるの?」
まあ、ななっしーのことだからそう簡単に教えてくれないか。
「いるよ。」
私の質問にななっしーがあっけらんと答えた。
え、そうなんだ。
「じゃあ告白すればいいのに。ななっしーは絶対OKもらえるよ!」
私が応援のつもりで言った言葉にななっしーが反応した。
いつものヘラヘラした顔じゃなくて、私が見たこともない真剣な顔だった。
「_____無理だよ。」
少し時間が経ってから返事が返ってきた。
「私はもう手遅れなんだよ。」
ななっしーってさ、なんでいっつもこうなの__??
相手のことを聞くときはグイグイ来るのに、自分のことは誤魔化して___
「手遅れって、何が手遅れなの?相手に好きな人ができたとか?彼女ができたとか?」
私がそうきくと、ななっしーは静かに首を振った。
「私はもう諦めなきゃいけないんだよ。」
「何を諦めなきゃいけないの!?」
ついつい、はっきりしないななっしーに強めに言ってしまったこと、後から後悔した。
「___べるは___わかるでしょ。私はもう___」