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風磨side


熱も引いてきたし、飯もしっかり食ってたし

そろそろ帰るか。そう思い帰ろうと立ち上がる。



「 まだ一緒に居て… 」



そんな言葉が俺の耳に届いた。


え、今なんて?


再び、まだ側に居て欲しいと甘えてくる。

いつも甘えてくることなんて絶対ねえのに。


潤んだ目をして上目遣いで俺を見る。


やめてくれよ。

お前は俺の事ただの幼馴染としか思ってないかもしれねえけど、俺はそんな風に思ったことは無い。昔からずっと好きだった。

ただでさえ隣で寝ている姿を見ると理性が保たなくなんのに、

こんなこと言われたら。

この先どうなるか予想つく。

ごめんな、やっぱ帰んなきゃ。



すると突然、裾を引っ張ってきた。



「 来てくれるまでね、ずっと1人で怖かったの。」



そーだよな、風邪引いた時は誰かがそばに居てくれるだけで心強いよな。

隣にいるのがたとえ俺じゃなくても。

きっと誰でも安心させてあげられるんだよ。



「 いーよ。眠れるまで付き合うから。」


『 ありがとう。』

『 私ね、来ないでって言ったけど、本当は風磨が来てくれないかなって思ってたんだよね〜 』


「 そんなことならすぐ呼べよな?」


『 ううん、呼べないよ。』

『もし風邪がうつっちゃったら大変だし、     風磨のお仕事にも影響しちゃうでしょ?      色んな人に迷惑かけちゃうし、風磨に辛い思いさせたくなかったから、』



少し恥ずかしそうにそんなことを言う。



あーそういうこと。

俺、好きな奴に気使わせてたのかよ。

いざとなった時に頼りにされない、

ましてや好きな奴に気使わせてる。

だっせえな俺。



『 風磨…?』


「 俺の事なんて別に気にすんなって。

これからは気使うの禁止な?」


『 うん、じゃあ… 手繋いでほしい、』



そう言い、色の白い小さな手を差し出される。

これ以上は駄目だって分かってる。

それでも止められない。


俺は手を握り返す。



「 眠れるまでずっと側にいてあげるから安心して寝ろ」


『 今日の風磨、いつもよりかっこいい。』



微笑みながらそう言い残すと、

ゆっくり目を閉じて眠りにつこうとする。







今のは反則。




俺はゆっくり口付けした。

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