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《プロトタイプ視点》
来訪者__Playerが来たのは確認出来た。
だが、今は直接会うわけにはいかないので監視カメラで様子を確認していた。
しばらくして、Playerがドッグデイのところに来ることが確認できた。
僕はドッグデイが何を言っているのかが気になったが、監視カメラの音声が聞こえないためそれは断念した。
僕が「もしもPlayerがここを去ったら約束通りドッグデイに足を戻してあげよう」と思っていたその時、ドッグデイの様子がおかしくなった。
やっぱり足を取られたから具合が悪くなったのか?
…いや、違う。
周りから小さなCritters達が来ている。
それらがドッグデイの体の中に入り込もうとしているのが見えた。
「嘘だろう!?こんなこと聞いてないぞ!!」
僕は監視室から抜け出して急いでドッグデイのいる所へ向かった。
もちろん、ドッグデイの足も忘れずに。
ドッグデイが監禁されていた場所はもぬけの殻だった。
…まさか、あのCritters達がドッグデイの体に入り込んだのは、ドッグデイの体を文字通り支配するためなのか…?
僕は急いで近くの滑り台の方へ向かった。
ようやく迷路のような滑り台を抜け出した頃には、ドッグデイはグッタリと閉じたシャッターに持たれかかっていた。
僕はドッグデイを起こそうとした。
…待てよ。
ドッグデイの体の中に入り込んだCritters達を追い出さなければ。
僕はドッグデイの口に必死に手を突っ込んだ。
「苦しいかもしれないが少しの辛抱だ、頑張ってくれ…!!」
5分くらい経っただろうか、なんとかCritters達を全員追い出すことができた。
あとはドッグデイが生きていればいいのだが…
友達が死ぬのは嫌だ。
僕はドッグデイを必死に揺り起こした。
「…あれ…?」
ドッグデイは少し間抜けな声をあげて目を覚ました。
「ドッグデイ!!良かった!!君がもう目を覚まさないかと思うと僕も死ぬかと思ったよ!!」
「プロトタイプ!?あれ、Playerは…?」
「あの様子だと逃げ切ったみたいだ…」
「そうか、よかった…あとはPlayerがキャットナップを止めてくれればいいんだが…」
「…Player独りじゃ多分キャットナップを止められないだろう。」
「……殺してでも止めてくれるかい?この際、もうそうするしかないと思うんだ……」
ドッグデイのその言葉に、僕は一瞬凍りついた。
「…私は…親友を殺さなきゃならないのかい?君の足をむしり取ったその次には親友を殺せと!?」
「もうキャットナップは君を親友とは思っていないんだよ!!分かれよ!!」
「…そうか…そうだった…」
僕は絶望するしかなかった。
「……私が行く前に、やることが1つある。」
「…やることって?」
「君の足を治すことだよ。私は約束を忘れていないからな。」
僕は持っていたドッグデイの足を見せた。
「…案外忠実なんだな。まるで僕みたいだ。」
ドッグデイは笑いながら言った。
足を縫うたび、ドッグデイは痛がっていた。
その度に止めようとしたが、ドッグデイはただの手術後の縫合と変わらないから続けてくれと言った。
ドッグデイの足を縫い始めてから1時間ほどしただろうか。
ようやく縫い終わった。
「…不思議だね、ただ縫っただけなのにもう足の感覚戻ってきてるよ。」
「本当に不思議だな…。」
「…ありがとう、プロトタイプ。……Playerに君のこと悪く言ったことは謝っておくよ。」
「へ?」
「…あれ、聞いてなかったのかい?」
「監視カメラ壊れてるから音声記録してないんだよ!!orz」
「ハハハ…そっか…」
「…まあ、悪く言われても仕方ないさ。」
2人で少し笑い合った。
こんな時間を過ごしたのはいつぶりだろうか。
「…ドッグデイ、そろそろ私は行かなければならない。」
「…頑張ってくれ、なんとしてでもキャットナップを止めてくれ。」
「…ああ、わかっている…無事でいるんだぞ、ドッグデイ。」
「君もね、プロトタイプ。」
僕たちはお互いの無事を祈ってからその場から去った。