テラーノベル
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タクシーに乗って氷室さんの家の前まで行った私たちだったが、氷室さんはいかなかった。
たまたま不在だったわけではない。『売物件』と書かれた不動産会社のポスターが、庭を囲む塀に貼られている。私が氷室さんの家を最後に訪れたときにはあった古い犬小屋も、大きな掃き出し窓にかかるカーテンも、なくなっている。
「わざわざ来たのに、マジかよ」
羽田匠が大きな溜息を吐いた。
「氷室さんは……。妹さんの件が解決して、心機一転したくてこの家を手放したのかもしれません」
「連絡手段はないんですか? 手紙とか、インスタとか」
「ありません」
以前私が困っていたときに華蓮が教えてくれた探偵に依頼すれば、氷室さんが今どこにいるのか突き止められるかもしれない。そのことが私の頭をよぎったが、提案はしなかった。羽田匠も、おそらく生方さんも、探偵に依頼し*********
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ruruha