──────Iれいまり視点──────
「そういえば、どのような用件で私たちを呼び止めたんですか?」
注文した肉を焼きながら、レイラーさんに尋ねる。目の前の鉄板付きテーブルを挟んで向かい側にいるレイラーさんはどことなく緊張した様子で、お肉に手をつけていなかった。隣のゼンはバクバクと白米とお肉を交互に口に運び込み、頬張っている。…これと比べるのは申し訳ないが、食べて無さすぎる。なにか、違う目的で呼ばれたのでは?と思い質問するが、それを答えるまでに時間がかかりそうだな、なんて思いつつ肉を焼く。
レイラーさんは考えぬいた後、話し出す。
「えと、私の上司?にいつも戦争ばっかりだから、友達を作って遊んで来なさいって…。でも、私友達いないし、作るまで帰ってくるなって言われたし…。でも、早く帰りたくて…。」
「あー…つまり友達になって欲しいと?」
そう確認すると、黙ってこくこくと頷く。友達、か。私はそんなことを思いながら肉を飲み込む。
『友達』という概念は悪魔には存在しないはずだ。まあ、これから言えるのはレイラーさんは本当に戦場で生きる悪魔なのだろう。なぜなら───
「あ、あの、私と友達になってくれませんか!?」
「?ほもほもともひゃひってなんへふか?」
「…話す時は飲み込んでから話しなさい。」
相変わらず雰囲気ブレイカーのゼンに幻滅しつつ、私も知らなそうな雰囲気を漂わせ、レイラーさんに説明させようとする。が、レイラーさんもやや困り気味に
「私も、ちょっと詳しくは知らなくて…。天才さんなら知ってるかなぁ…って。」
いや、レイラーさんも知らないのに作ろうとしてたんかい、というツッコミは遠慮しつつ、仕方がないため私が説明することにする。
「親しい間柄の関係のことを『友達』と言います。この友達という言葉は主に下界の言葉であり、悪魔は人間界に興味でもない限り知らないような言葉ですよ。」
「へぇ〜!そんなのもあるんですね!ぽれと椎名も友達なんですか〜?」
「…私達は主従関係ですよ。金を払う払われてる関係を友達とは言いませんよ。」
「えぇ!!椎名のケチ!!別にそれでも友達でもいいじゃないですかー!!」
隣でぷくぅと頬をふくらせる熊は置いておいて私はレイラーさんと友達になるか否かを選ぼうと思うが、このルートはもう遊ぶと決めたため、快く了承することにする。話が変わりすぎて考えるのが面倒くさくなってしまったし、もう楽しんでしまえ!少し怪しいテンションで私はレイラーさんと友達になることに決める。
「うーん、まあいいですよ。友達になりましょう。」
「っ✨️!!ありがとうございます!!」
差し伸べた手を両手で握りしめられ、上下に思いっきりブンブンと振られる。戦場にいたと言うだけあって魔法型であろう少女は力が強く、反射的に痛い、と言ってしまうところだった。
何はともあれ私は事実上初めての友達を得た。
「約束の通り、来ましたよ。」
私は、ゼンとともにとある屋敷に訪れていた。言うまでもないが私は100歳を迎え、そして100歳を迎えたとき死の悪魔のところに訪問しろという契約をしたので、その契約に従って訪れていた。という次第である。
ちなみにお出迎えは茶子さんでしっかりゼンさんは驚いていた。茶子さんは会った時とは売って変わって虚ろな瞳をしており、もはや感情を失ったのでは?と思うほどにその顔は酷いものだった。手の甲は黒い手袋をつけており、奴隷契約かは定かではなかったが、おそらくそうであろう。ここは本来の物語と変わらないらしい。何とか思いつつもその案内の指示に従い私はようやく死の悪魔、めめんともりと対面する。
ゼンはあくまで従者としてきているので、今日だけはスーツでビシッと執事の服を着てもらっている。相変わらず身長が小さくて少しばかりしまらないが、選んだものの責任。文句は言わない。
少しばかり待っていると、めめさんと共に顔見知りがお茶を持って入ってくる。ゼンと同じく執事服を身につけており、ゼンとは違い、スラッと高い身長に、緑髪の髪、禍々しく生えた角、そして深緑の瞳。───いえもんさんである。この世界ではめめさんの従者───ではなく、相棒として活躍しているはずだ。つまりこれはカモフラージュ。もし私がめめさんに攻撃しようとしたら、部下とは名ばかりの殺意マシマシの攻撃が私に飛んでくるだろう。
めめさんなりの最大限の警戒を私は払われている。裏返せば、私はそれほどまでに実力があると見込まれているか、もしくは絶対に逃がしたくない人材かの二択である。まあ、別にこんなかしこまられなくても返事は決まっているのだが。
「改めまして、100歳おめでとうございます。私から、心からの祝福を。」
「…上位悪魔様に頭を下げられるほど私は偉くはございません。また、まだまだ皆様の前ではお若い。私はまだ、そちらの執事様より弱いという自覚はございますゆえ。」
私の言葉の真意は、その執事が戦闘用護衛だと知っているぞ、というある種の脅しである。が、めめさんはそれをものともせず、本題に入り始める。
「ご謙遜を。私は、あなたの将来を見込んで、100年前、契約させて頂きました。私は、その実力が腐ることなく実ったと確信しております。…単刀直入に言います。私とともに、悪魔のために戦ってはくれませんか?」
「…悪魔のためというのは具体的に?私はどの役割にどのくらいの頻度で命の危険はあるのか、休みは給料は、私はどの辺の自由を認められ、どのくらいあなたに忠誠を誓うべきか。ちゃーんと教えてくれませんか?私は無闇矢鱈に契約するような馬鹿では無いので。」
私がそう言い切るとめめさんは手をパンパンと叩けば、いえもんさんがすっと紙を差し出してくる。
「これは?」
「契約書です。そこに、全ての情報が書いてあります。また、疑問点も。そして、今、ここで契約しないなら───」
「…200年後、強制的に出兵させられるんだから、高待遇のうちに入っとけ、っていうですか?」
「さすがは天才の名を冠した悪魔ですね。それとも今まで身につけた知識から、でしょうか?それとも…心が読めるとか?」
「身につけた知識からですよ。おそらくですが、200年後大きな戦争が起きるのでは?…禁書の歴史書を読ませて頂きました。未来予知に近い本ですけどね。」
「なるほど、納得です。たしかにそれならばそのことを知ることができますしね。」
「正直、もう私は生にこだわっていません。いつ死んでもいいとすら思ってます。だから、魔界がどうなろうと、殺されようとどうでもいいんですよ、私。だから、正直契約の内容とかどうでもいいんです。」
私がぶっちゃければ、めめさんは初めて驚いたような表情を浮かべ、私を見つめる。ゼンは後ろにいるため表情を伺うことはできないが、おそらく目を見開いて驚いているのだろう。まあ、こんなことを打ち明けるのは初めてのことだし仕方がないだろう。まあ、もう別にいいのだが。
「けど、めめさん。あなたのような上位悪魔がどのような生態系で生きているか知りたい。というより私は、自身の底がない知識欲を満たしたい。だから、戦争に出る上位悪魔について色々教えてください。それが契約条件ですよ。」
「…。やはり、悪魔は欲に忠実ですね。いいでしょう。その契約、受けました。」
「あ、でもある程度高待遇でお願いしますよ。嫌な環境なら私はすぐに自殺するか敵に情報を売るつもりなので。」
私があっさりそう宣言すれば、いえもんさんはすぐに牙を剥く。が、私はそれを魔法で止める。めめさん側に不利なことをいえば容赦なく牙を剥く。それがこの世界のいえもんさんである。予測できた攻撃をかわせないほど私は馬鹿では無いし、弱くもなかった。
だが、いえもんさんは戸惑いと驚きの表情を浮かべていた。よっぽど腕のたつ悪魔なのだろう。だが、生きていれば上位存在に会うのもまた致し方なし。存分に敗北感を味わってもらおう、と思いつつ、同じく魔法を展開させていたゼンに待てをする。ゼンもまた、私を守る為ならば牙を剥く。だが、今その牙を剥けば、相手側と同等の愚か者になってしまう。こちら側は冷静に話を続けるべきである。
「あら、あらあら。随分幼稚なんですね。用心棒がそんな短気でいいんですかね?こちら側は怪我を負わされかけた訳ですが…。どう、責任を取るつもりですか?めーめーさん?」
私がそう煽ってやれば、めめさんは眉をひそめつつも自身側の方が不利と判断したのだろう。
「…高待遇で雇いましょう。」
「ゼンは?」
「…従者として、この基地に入れることを認め、最大限のサポートを許します。で、どうですか?」
「一旦はそれで。状況に応じてまた交渉しに来ますね。」
私がそうニヤリと微笑むと、少しばかり悔しそうなめめさんの表情を見ることができた。
ここで切ります!久しぶりにめっちゃ書いた…。体調が程々に良くなったのでちょっと頑張りました!そういえば、れいまりさんの悪魔立ち絵出してなかったですね…。てことで早速どぞー!
割とかっこよくかけました!ジャラジャラ書くのめんどいけど楽しかった!
それでは!おつはる!






