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秋色に染る空の下

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秋色に染る空の下

1 - 第1話-会いたい

♥

31

2022年10月28日

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桃青


青視点


僕は秋が好きだ

紅葉も

金木犀の匂いも

いつも彼と一緒に行っていた

お祭りも

あの時間が、大好きだった

もみじを見て

綺麗だねって笑いあったり

何をするでもなく

静かに

川のほとりに座って

水の音を聞いて

景色を見て

彼の好きな紅茶を

ベランダで並んで飲んで


そんな時間が、彼とすごしたあの時間が

1番、大切だった


でも



変わらないものがあるなら

全部、変わらないと言うなら

僕はまだ、秋を好きでいられたのだろうか?

ずっと、幸せでいられたのだろうか?

ずっと彼の笑顔を見ていられたのだろうか

ずっとずっと、彼と一緒に

いられたのだろう


僕の無謀な願いは叶わない

そして、過去にも戻れない

やり直すことなんて、出来ない


僕は秋が嫌いだ

赤な黄色に染まる木も

金木犀の香りも

楽しかったお祭りも

全部

全部

嫌いだ

秋なんてなかったら良かったのに

夏から冬に変わればいいのに

そしたら、、


全てを否定するように

消し去ってしまえばいいのに

でも、季節はまわる

春が来て

夏が来て

秋が来る

そして、冬になる

秋が来ないと、冬は来なくて

季節は、まわらなくて


飽きが来る度

胸が締め付けられる

飽きが来る度

色々な人を見る度

苦しくなる

みんなとの違いを突きつけられた気がして

どうしようもない嫌悪感に包まれる

そして、秋が来る度

彼のことを思い出す


彼の居ない秋なんて

要らないのに

彼を消し去った秋なんて

もう、夏の暑さに

冬の寒さに

消されてしまえばいいのに

ひらひらと舞い落ちるもみじ

あの日と、おんなじ

おんなじだけど

みんな変わってて

変わっていないのは

たった1人

僕、だけで

ずっと

ずっと、過去に縛られている

10月24日

……2020年、10月24日

それが、最後に彼を見た日

僕をかばって、いなくなった日

それが、最期の彼を見た日


もし、過去に戻れたら

やり直せたら

もう一度、彼に会えたら

あの日、伝えようとしていた気持ち


伝えたい

聞いて欲しい


『好きです』



彼は、受け入れてくれるだろうか



今日は、2回目の彼の命日

涙は、とめどなく流れ続けて

止まることなんて知らずに

乾くことなんて知らずに

ずっと、泣き続ける

そんな僕の首元で


彼のくれたネックレスが揺れた



気が向いたら続き書きます.ᐟ.ᐟ

はーと沢山待ってます((




秋色に染る空の下

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