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美桜ちゃん
桃青
桃視点
君は
今でもずっと
過去のことを考えて
過去のことを悔やんで
ずっと
ずっと
前に進まず
前に進めずに
立ち止まって
泣いている
きっと
それは、全部
俺のせいだ
俺が周りを見ていなかったから
俺がもっと気をつけていたら
金木犀が舞い落ちる
そして君の瞳からは、
透明な涙がこぼれ落ちる
大きくて澄んだ瞳から
潤んだ瞳から
音もなく
ただ、静かに
ずっと、こぼれ続ける
小さな後悔は
君の小さな
華奢な体を縛り付ける
壊し続ける
今にも崩れ落ちそうな
壊れそうな君は
今日も
ごめんな__
青視点
彼の声が聞こえた気がした
幻聴だって分かっているけど
信じたくなってしまう
そんな声に、幻聴に
すがりたくなってしまう
なぜ、僕は
あの時
僕のせいで
僕のせいで
いまの僕に出来ることはなんだろう?
こんな僕に
こんな無力な僕に
“僕にしか出来ないこと”が、あるのだろうか
金木犀
“綺麗”と、思えなくなったのは
いつからだろう
舞い落ちる金木犀
こぼれ落ちてい待ったものは、もう
戻ってこない
透明で
儚くて
優しくて
そんな、命がこぼれ落ちた
風が、
僕の頬を優しく撫でる
濡れた頬に張り付いた髪が、風になびく
“僕にも出来ることあるかなぁ~”
“見つかるよ”
“いつか、きっと”
ニコ ッ
僕が
彼の
“いつか”を、消してしまった
彼の希望を
夢を
未来を
夢を謳った彼の横顔
希望を語った彼の瞳
全てをくれた彼に
何も返せないまま
散ってしまった
金木犀が舞い散る
風に飛ばされて
光にさらされた欠片が
*“あの日”*と一緒
全てがなくなって
何もかもが変わった世界
何を信じて
何と一緒に
誰と一緒に
こんな世界で
どうしたらいいのだろう
答えは分からない
分からないから
みんな
何もかもを捨てても
生きていけるほど強くない
見上げた空の向こう側
どこかに
居るのだろうか
彼も
この空を見ているのだろうか
すっかり夜の色に染まった空に
無数の光が散らばっていて
僕の手元を
月夜が照らす
月の光は
僕のことを見透かしていて
僕の手元を
僕の手元の
彼からの手紙と
桃視点
真っ暗な夜
君はいつになく
虚ろな目で
空を見上げる
今にも消えてしまいそうな君に
声をかけてあげることは出来ない
触れることは出来ない
君を、助けてあげることは出来ない
君の瞳に、うつることは、出来ない
でも
“止めないと”
その感情は止められなくて
止めることなんて出来なくて
でも、俺に出来ることなんてなくて
そっと抱きしめることしか
自分の無力さを
今までにないほど
後悔した
青視点
後ろからふわりと甘い香りが鼻腔をくすぐる
同時に、優しい気配がする
___誰か、いるの?
そんなこと言っても
何も
反応なんてない
でも、暖かくて
安心した
そして、気付いたら
僕は眠りに落ちていた
桃視点
___誰かいるの?
そう聞かれた瞬間
少しだけ
ほんの、少しだけ
期待してしまった
___ここに、いるよ
___俺が、いるよ…… ッ ッ “
そんなことを零しても
君には届かない
優しく頭を撫でていると
君は、眠りに落ちていた
は~と待ってます.ᐟ.ᐟ