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1ヶ月後
俺はじいちゃんの元で修行を積んでいた
あれから師匠には会ってない
リンデル:「あと10周!!」
ヤマト:「ッはい…!」
じいちゃんはずっと俺に筋トレをさせる
最低限体を強く保たないと魔力の消費で症状が出てしまうらしい
ランニング・・・湖の周り30周
スクワット・・・150回×3
腕立て・・・100回×3
腹筋・・・100回×3
はっきり言ってキツい
修行になってから毎日これ、投げ出したくなるけど…今は我慢
ヤマト:「はぁ…ッ、はぁ…ッ」
リンデル:「よしヤマト、次はスクワットじゃ」
ヤマト:「はい…ッ!」
リンデル:「基礎トレ終わったらすぐ魔法の練習」
俺はじいちゃんの元で魔法の修行も積んでいた
永い間、星が生まれて消えゆく間、じいちゃんはずっと生きてきたらしいから魔法も分かるらしい
基礎トレ…正直思うところもあるが今の俺には何も言えない
ヤマト:「…ッはい!!」
ーしばらくしてー
ヤマト:「はー…ッ!はー…ッ!…疲れた、」
リンデル:「終わったかの?じゃあ魔法の練習に切り替えるぞ、靴を履き替えよ」
こ…ッのスパルタ…!
ヤマト:「……鬼じじい」
リンデル:「どうした?」
ヤマト:「なんでも…ないですよ…!」
ーシューズ履き替え中ー
ヤマト:「はぁ、このシューズも使い古しちゃったな…この前買い替えたばっかなのに……、」
???:【忌み仔…】
じいちゃんの声?でもじいちゃんはそんなこと言わないし…
ヤマト:「ちょっと待ってくださいよじいちゃん、もうすぐで行くので…」
俺はただ、振り返ろうとした
その瞬間…視界が暗転した
リンデル:「ダメじゃよヤマト、今のお前がこれを直視しては…これは見てはいけないぞ」
ヤマト:「じい…ちゃん、?」
じいちゃんの細く長い手指が俺の目を覆った
ヤマト:「ちょ、離してください…ッ!」
リンデル:「3秒じゃ、ヤマト。3秒いい子にしておったら離してやろうの」
ヤマト:「えぇ…、」
相変わらず変な人だ
リンデル:「よいか?……3」
「2」
「1」
「0」
パッ
視界が明るくなった、ちゃんと離してくれた
俺…暗所恐怖症なんだけど……
まだ目元には温もりが残ってる
リンデル:「さ、練習を再開するぞ。ボーっとしてないで早く来るのじゃ」
ヤマト:「……はーい、」
ー外ー
ヤマト:「うううぅわぁぁぁぁあッ!!」
リンデル:「ヤマト!棒を離すな!コントロールをしろ!」
こ、ここ、コントロールってどうするんだよぉぉ!
ヤマト:「ッ!!!」
落ちる…ッ!!!
ヤマト:「うぐ…ッ」
落ちた
今日の魔法の練習は魔法で物をコントロールする練習、木の棒に魔力を流して飛ばす
……はずなんだけど、
棒は暴走してヒュンヒュン飛びまくってるし制御しようとして棒を掴んだら俺も振り回された
コントロールってなんだ……
ー正座ー
リンデル:「おい、わしはコントロールしてって言ったであろうが?」
ヤマト:「す、すみません……」
リンデル:「まぁコントロールの仕方を説明してないわしも悪いがの」
ヤマト:「…………」
まただ、じいちゃんは俺が失敗してから目標の旨を伝えてくる
最初に言ってくれよ…
リンデル:「まずコントロールというのは魔力の調節が一番大事なのじゃ」
ヤマト:「調節?」
リンデル:「ヤマトの魔力は本当に本当にほんっっっとうに少ないが…」
え、悪口?
リンデル:「その分、魔力の濃さは素晴らしい」
ヤマト:「え天才?」
リンデル:「言ってないぞ」
でもそんな事は言ったってなぁ……
リンデル:「適切な量の魔力を入れて、巡らせて、操る」
ヤマト:「はて???」
リンデル:「まぁやるから見てるがよい」
ヤマト:「……はい、」
リンデル:「某漫画みたいに、ひゅーとやって…ひょいっじゃ」
ヤマト:「すご、!棒が動いてる…!」
くねっくねっ
ヤマト:「あっ、ちょっと気持ち悪い」
リンデル:「なんということを言うのだお前は…!」
こんな風に、じいちゃんと生活するのは楽しい
一ヶ月経って、ようやく慣れてきた
でも…師匠には会えない
帰る方法も会う方法も今どこにいるかも分からないから。