#8
「どうしたの?」
「顔真っ赤よ?」
😊「…えっ と…」
どう説明をすれば良いんだ…?
「…う~ん、多分、熱があるみたいね」
😊「熱…」
「上がるか下がるか分からないし、此処で休んでいきな?」
…大人しく眠って、しっかりと休みたい所だが、 今日はプレゼンの日。
😊「…あの、休まないっていうのは、ダメですか?」
「それはダメよ。熱が上がったら大変だもの」
😊「…そうですか…」
…どうしよう。俺がもしプレゼンに出れなかったら、他のみんなはどうする?
委員長も、他のみんなをまとめるので忙しいだろう。
…俺が居なくなったら、みんなに迷惑をかける。
それだけは絶対嫌だ。
😊「…ッ…」
「…紫恩さん、少し休んで。顔色が悪いわよ?」
😊「…分かりました。」
目の前がクラクラする。
ちょっとした段差がも見えなくなるし、先生の声も朧気に聴こえる。
「…少し、おでこを見せてくれない?」
😊「…どうぞ」
「…やっぱり熱いわね…」
「恐らくだけど、これからどんどん熱が上がるわ。安静にしといてね。」
😊「ッ…はぃ…」
ベッドまでの距離は3mも無い。…けれど、そこまでを歩くので精一杯だった。
😊「……ッはぁ…」
…ッちょっと、ヤバいかも知れないな…
「〜〜笑」
「〜〜〜」
…時刻は八時五十三分。
廊下の騒がしい声で、俺は目が覚めた。
😊「…ッそうか、プレゼンか…」
「…あ、起きたわね。」
「…」
「さっきとあまり変わらない、…」
「…体温は…37.4ぐらい…」
「…微妙…」
…俺の普段の体温は低い。だから、確定で熱。
…やっぱり、こんな短時間じゃ治らないか…
😊「…」
😊「…ッ!先生!やっぱり、此処で休みたくない、です…」
「…此処で休みたくないのだったら、早退する?」
😊「…え、?早退…?」
…父さん達に連絡をするということか?
…でも、そうしたら迷惑をかけてしまう。
ただでさえ仕事が忙しいのに…
「早退するんだったら、親御さんに連絡しようか?」
😊「…!連絡は、やめて下さい…」
「…じゃあ、此処でしっかりと休んでね。」
😊「……はぃ」
プルルルルル
「あ、電話…」
「はい、もしもし、古都山です。」
「_はい、あ~あの件ですね。」
😊「…ッ…」
心做しか、息がどんどん上がっているような気がする。
…でも、此処から抜け出すには_
😊「今が、一番だ…ッ」
先生は電話に夢中。それに、電話の内容からして、長電話になるだろう。
とっくに九時は過ぎているが、俺の台詞があるのは中盤〜後半。
😊「!まだ、間に合う…」
…少し扉の音が大きいのが難点だが、あっちから此方の姿は見えない。
もし、大きな音を出してしまっても、少しの間は大丈夫だ。
😊「…ッよし。」
…何とか、保健室脱出成功_
😊「…ッ!うわっ!段差があったのか…」
熱だから少し視界も歪む。
そのせいで、一歩一歩が凄く小さい。
…走れたら良かったのにな…
😊「…!後、ちょっとだ…」
もう体育館付近。時間もまだギリギリセーフ。
俺は、精一杯力を込めて扉を開けた。
😊「…ッ!」
バンッ
皆の視線が、俺に向いている。
委員長も、先生も、普段関わらない生徒も、…瑠季も。
😊「ッすみません、遅れました。」
…あ、でも、丁度俺の所…
😊「…良かった…」
😊「…委員の、譜住 紫恩です。」
😊「では次に、この図書館の仕組みなどの説明です。」
…俺、意外とスラスラ喋れてる…?
😊「…まず、図書館の入口付近にあるカウンターは、本を借りる所ですが、本を予約する事も出来ます。 」
😊「次に、図書館の空いている時間は、朝、二限目休み、昼休み、放課後です。」
😊「また、本も種類別にしているので、活用してみてください。」
…やはり視界は歪んでいる。それに、さっきよりクラクラする。
…でも、折角此処まで辿り着いたんだ。
…このプレゼンだけでも、終わらせてやる。
高橋「ところで、皆さんは、本を何冊読んでいますか?」
高橋「一週間に一冊読む人も居れば、一日の内に十冊以上読む人も居ますね。」
…!一週間に一冊しか読まない…?…分厚い本でも読んでるのか?
高橋「自分の好みに合わない本ばかりで、あまり読みたくない、と思う人も居ると思います。」
高橋「そこで!図書委員では、そんな人に向けて、おすすめの本を紹介をしようと考えています_」
委員長「…では、これで終わります。」
_体育館に響く拍手の音。
…嗚呼、俺は、やりきったんだな…
😊「…ッ!…」
「!紫恩くん!こんな所に…!急いで保健室に行こうか?」
😊「…はぃ…」
…体育館の中心ら辺から、少し視線を感じる。
📕「…」
その先には、心配そうに見つめている、瑠季の姿があった。
😊「…」
…俺は、俺にしてもらった時と同じように、静かに👍を送った。
📕「…!紫恩…」
コメント
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初めまして大好きです() 😊さん頑張り者か?惚れてまうやろ(馴れ馴れしくてすみません...)