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「   こ っ ち に 来 い   。 坊 主   」


ーー千冬「へ、?」

「どちら様ですか、?」

学校の通学中。いきなりスーツを着た男性にそう話しかけられた。最初は人違いだと思い、見て見ぬふりをしたが、

どうやら話しかけている相手は自分だったことに気がつき、返答を返す。

ーー千冬「俺になにか……用ですかね、?」

ーー✗✗「俺に見覚えはないか ?」

そう聞かれるも、記憶のどこを探しても、彼との接触はなかった 。

ーー千冬「いえ、、少し、記憶には、、 。」

「何処かで会いましたか 、?」

ーー場地「…… 前世で会った 。」

初め聞き間違いかと思って、もう一度聞いてみた。

ーー千冬「えっと、、はい、?」

ーー場地「だから、前世で親友だった 。」

俺には分かる。この人は危ない人だ 。

前世?親友??いきなり初対面の人にこんなこと言うなんて怪しい人に決まってる。

ーー千冬「……あの、、俺もう行きますね 、?」

「学校遅れちゃうんで、」

ーー場地「……ダメだ 。」

ーー千冬「へ?」

ーー場地「一緒に来てもらう 。」

昔から聞いていることがある。知らない人について言っちゃだめだって。

だから、この人からは、逃げないと…  。

明らかなも怪しくて、イカれてる大人。ロン毛にサングラス。絶対危ない人だ。

服装からしてやばい。タトゥーもちゃんと見えた。

ヤクザなのか反社の人間なのか分からないが、とにかくことこいつに捕まったら、俺は間違いなく死ぬ 。

逃げなければならない。

足を無理やり動かし過去最大の力で走った。

それでも無駄だったようだ。

彼の足は長く、1歩がでかい。追いつかれる。怖い。

何されるか分からない。もしかしたら、身体買収?解体?内臓買収?島流し?奴隷として永遠と…?

そんなの絶対に嫌だ。もっと、早く。早く。

ダメだ 。追いつかれる … !!

ーー千冬「ぅ゛、兄ちゃんッッ……泣」

いつも俺で遊んでくるやなお兄ちゃん。でも、人一倍優しくて、暖かい人。いつも助けてくれて、血は繋がってなくても、

大好きな人には変わり無かった 。

兄ちゃんとの出会いは、不思議なものだった。

捨てられている俺を見つけて、家に引き入れられた。

風呂や、ご飯、まるで家族のように迎え入れてくれた。

いつの間にか本当の兄弟のようになっていった。

そんな兄ちゃんは人とは何か違う。みんなとは何か違うのだ。

いつも遅くに帰ってきて、服がいつも変わってる。

兄ちゃんの部屋には何があっても入っちゃいけない。

俺はその決まりをちゃんと守っている。開けたいのは山々だけど、我慢し続けている。

俺も勉強が忙しくなってきた頃でもあるのも理由の一つ。

ーー千冬「あっ、!!」

なんとか隠れれるようなところをみつけ、そこに潜り込む。

ーー千冬「………どうしよ 、」

ーー場地「みーーーけっ♡」

ーー千冬「ひッッ!?」

足音も何も聞こえなかった。後ろをバッと掴まれ抵抗しようとするも彼の手はビクともしなかった。

ーー千冬「俺をどーする気だッッ!?」

「離せ!!離せっ!!不審者ッッ!!」

ーー場地「…しーーーーっ 。」

彼は俺の口を手で塞ぎ人差し指を立て、口元に置いた。

ーー千冬「ん゛ん゛ん゛ん゛ッッ!!う゛う゛う゛う゛ッッ!!」

俺は声を抑えることはしなかった。したらきっと、俺の負けだから。

もう逃げられなくなってしまう。少しでも、気づいて、

気づいて 、気づいて  、気づいて 、

ーー場地「……暫く眠ってろよ?」

その言葉と共に鋭い音が鳴ったと同時に記憶が途切れた 。































ーー千冬「ん、、ど、こ、、」

辺りをきょろきょろと見渡すも見知らぬ場所で、何かの廃墟のような建物の中だった。

ーー場地「起きたか…?」

ーー千冬「おいッッ!!お前!こっから出せ!!!」

俺は怒りに満ちていた。許せなかった 。誘拐されて、殴られて、気絶させられて、変なところ閉じ込めてるんだ。当たり前に怒るだろう。

彼の胸ぐらを掴んでいる手を彼はそっと上から手を乗せ、

ーー場地「ごめんな 。千冬  。」

ーー千冬「ぇ、、?泣」

その言葉を聞いた時に、手が緩んだ。いや、力が入らなくなった。建物の中だと言うのに雨が降っているようだ。

状況が分からなくなり、俺は胸ぐらを掴んでいた手を離した。

ーー千冬「…な、んなんだよ、、お前、、泣」

「ふざけんな!!何が目的だ!?泣」

「こ、ここから出せ!!!泣」

何度彼に出すように指示しても彼は動くことも、何が喋る様子もなかった。

無理やり自分で頑張って出口を探すしかないんだ。

そうだ 。兄ちゃんから教えてもらった。

なんて人を頼るばかりじゃだめだって、

自分の頭で考えることも必要だって、

兄ちゃんは言ってた。大丈夫。絶対脱出してやる。

ここは廃墟。だったら、建物は脆いはず、そんなに力強くないけど、やるしかないんだ。

扉を殴りこみ、なんとか開けようとするも、びくともせず傷つくのは俺の方ばかりだった。

ーー千冬「ッッ………泣」

負けてたまるか、こんなところで死ぬのはごめんだ。

何度も、何度も、何度も、何度も殴りつけた。

無我夢中になる瞬間を待って。

やれ。がんばれ。兄ちゃんが待ってる。

大丈夫。怖くない。後のことなんて気にしない。

こんなヤクザなんて、興味も、関心もない。

なんなら大嫌いだ。怖くないよ。怖いなんてそんな馬鹿みたいなことない。

痛くない。集中すればもう何も感じない。

あの日守れなかった。ヤクザに殺された。

従兄弟の家庭には捨てられた。施設の人間に追いかけられた。走った。虐められた。そんな俺を助けてくれた。命の恩人にいつか恩返しがしたい。

俺の母ちゃんたちを殺した人間になんて、

殺されてたまるか。

『反社と記憶のないはずの俺』

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