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※新たなる出会いの予感()
「…さわがし…」
その一言で、みんなが一斉に顔をあげた。
「…あ?よく見たら、ちゃんとカエデいるんじゃん!よかった、流石にこの場に知り合いいないと厳しかったし…」
「…リリル?本当に、リリルなんだよね?」
「あー…まあ、心配させてたみたいだし、ひとまずはごめんな。で…あいつらは?」
後ろに視線がいく。五人はキョトンとした顔で、こちらのやりとりを見ている。
「あの五人は、わたしが落ちた星――ポップスターで出会ったの。それで、みんなを捜すのを助けてくれることになって…」
「ふーん…ところでさ、なんか感じ変わったよな?いつターバン取ったんだ?」
「へ?…ああっ!いつの間に…もしかして、さっきの流砂で…?」
頭を確かめてようやく気づいた。しっかりと結んでいたはずなのに、砂の流れで外れてしまったままどこかへ行ってしまったのだろう。思い入れのあるものだっただけに、残念さが募る。
「なあ、アンタら…」
この話題に飽きたのか、リリルはわたしの肩越しに五人を見やる。
「…見ず知らずなのに、カエデのこと、あと…ウチらのこと、助けてようとしてくれてありがとな。んで、そんな立場で言うのも何なんだけどさ… 」
ピースサインを向ける。人差し指と中指の指すほうを見ると、一頭身の二人はキョトンとしている。
「そこの二人…ぱっと見ではあんま強く見えないんだよな。恩あるとはいえ、完全に信用できるってわけでもないし。」
「…つまるところ?」
自分たちを試すかのような目が光る。衝動を抑えるようにして拳を握った。
「ここ、かなりスペースあるじゃん。単純な力比べしようぜ!」
そうくるとは思っていた。ワドルディは背中に背負っていたパラソルを開く。戦闘の邪魔にならないようわたしたちが下がったのを見て、カービィはワドルディの隣に並び立った。
「カービィさん、ちょっと口開けてもらえますか?役に立つかは分かりませんが、これで戦ってください!」
「ん?…おっけ」
思い切り開けた口に向かってパラソルが振られる。水の塊がホールインワンして、飲み込んだ瞬間、数分前のときと同じように彼の姿が変わった。
「コピー能力…“ウォーター”!…うん、これなら戦える! 」
水の涼しさを遠くから感じながら、三者は共に型をとる。少し薄暗い部屋には、音の一つも響いていなかった。
「仕掛けないなら…こっちから!」
リリルの右手からバチバチと音がする。黄の光がほとばしり、カービィとワドルディの元へ飛んでいった。
「ここはオイラが!“パラソルドリル”!」
電撃の球を掻き消しながら、ワドルディが突っ込んでいく。
「うわっ!…くそ、見た目のわりに強いんかよ…」
「オイラだって、カワイイだけじゃないんですよっ!」
電気を帯びた手と傘の応酬。力関係は互角に見えるが、ややリリルの威力が勝っている。
「よっ…お返しだ!」
パラソルドリルの分を返すかのような、的確な一撃が入った。しかしその隙に、足音を忍ばせてカービィが背後に迫っていた。
「“サーファータックル”!」
高波の勢いを借りたタックル。思わぬ攻撃だったのか、リリルの足元がふらついた。
「へへっ、ぼくもいるんだよ!」
「…うん。やっぱ、中々強いじゃん。さっきの言葉、撤回させてもらう」
しかし一瞬で体勢を立て直され、眩しい光を纏った手が迫っていた。タックルの反動で空中に投げ出されたままのカービィでは、避けられない。
「“サンダーハンド”!からの…“スパーク弾”!」
見事に決まった、連続攻撃。真正面から喰らったカービィは力無く吹っ飛ばされる。壁に勢いよくぶつかった衝撃で、土煙があがった。
「あっ…かはっ…!」
煙の中から苦しそうなカービィの声が聞こえた。その姿が見える前に、ころころと青い星が転がる。
「ウォーターの能力星が…!」
煙が晴れ、見えたカービィの姿は元に戻っていた。今の一撃が相当なダメージになったみたいだ。
「カービィ…!」
思わずして、仲間の、友達の無事を強く祈った。
あとがき
続く!…てことであとがき。フジミヤです!
前編と後編に分けましたがこれ分けなくても良かったかも…なんでこうしたんだよ構成決めしてたときの自分…という状態が三章までは続きそうですw
あとちょっと大事なお知らせ!三月までしばらく更新が今までよりも超絶遅くなります!理由は…察してください()
隙間時間を活用して書いていきたいです!