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街は複数の建物が入り組んでできた城壁のようなものに囲まれている。山と海、城壁に囲まれているミヤシロを攻め落とすには正面突破は現実的ではない。そのため偽金貨を使った内面からの破壊はミヤシロにとって最も恐ろしい攻撃手段だろう。城壁内部は迷路のように入り組む居住区域と倉庫の密集地帯で荷馬車で通れる道は少ししかない。居住区を抜けるとミヤシロの都市部に出ることができる。都市部は出店や商店街、広場や宿など普通の都市と何ら変わらなかった。異端者が来る場所だからと偏見を持つものも多いが様座な文化や考えが集まり認められやすいここは、普通の都市より、居心地がいい。都市に着くと各々の役割を分担した「さて、俺はパン屋に小麦を売ってくるけど2人はどうする?」「俺は宿とってくるわ」「リーニは?一緒に来る?」「そうしよっかな」「わかった。じゃシュリメル、宿は頼んだぞ。宿が取れたら適当に買い物でもして待っててくれ。日没に広場の前の酒場でいいか?」「りょーかい。安心しろいいところ探してやるからよ!」そういうとすごく張り切った様子で宿をとりに向かっていった「さて、俺たちも行こうか?」「うん、どこのパン屋さんに売りに行くの?」「広場の石像から見て左側をまっすぐ行った橋の下の店だよ」「石像?」「そう。ここ、ミヤシロの成り立ちはミヤっていう人が籠城用に作った城を中心に発展していったから、色んなところに当時の名残物があるんだよ。例えば火と獣が描かれた壺とかミヤをモチーフにした石像とかね」「そうなんだ。ミヤは死んでも皆に感謝されてるってこと?」「多分ね」そんな会話をしながらパン屋の前につき店主のマルクに話をしに行った。「久しいなマルク!」「その声はハヤセルか!?」厨房から出て来たこの男こそ俺の今回の宛てであるマルク・リアキだ。もともと戦争で敗北し、奴隷国家になった故郷から抜け出し難民になっているところにたまたま出くわした。その時ミヤシロに難民届をだしてそこで生活することを提案した。それからはミヤシロで一流のパン屋になるため頑張ってきたらしい。「元気そうで何よりだよ」「何?ゼルディア来たの?」またまた厨房からでてきたのはマルクの恋人?嫁?のサキ・コノアだ。こいつも訳ありらしいが詳しいことは知らない「コノアも久しぶり。相変わらずお熱いね」「ハヤセル?」「おぉっとすまん。お前こういうの苦手だったね」マルクはこう見えて結構奥手なのである「で?今日わざわざ会いに来た理由は?」「この小麦を買ってもらいたくてね」「小麦かぁ…いくら分だ?」「金貨1500枚分」「今回も随分持ってきたね。ちょうどいいタイミングで持ってきやがって…もうちょい早ければ安く買い取れたのにな〜。この時期は各国で戦争だの暗殺だのって、外国とろくに貿易もできやしねぇ。商人たちは戦争にびびって全然来ないわで色々大変な時期にこれはね〜」「そうか。ならそんなありがたい商人に金貨4000枚なんてどうだ?」「馬鹿言うな」「馬鹿じゃないさ。金貨500枚分の小麦で1つ辺り金貨2枚分のパンが2000個作れるはずだ。その計算で行くと、仮にお前が俺から全ての小麦を買い取った時お前は6000個のパンを金貨2枚で売れる。利益に換算すると金貨12000枚。仮に金貨4000枚で買ってもお前は金貨8000枚の得をする。それでも買わないなら俺は他を探すが?」「ん〜…わかった。その値段で買わせてくれ」「まいど」これで俺は-2000+3000=1000の利益。それから1500金貨分の小麦を買ったので-500金貨。それを4000金貨で売れたのでトータル3500金貨の利益がでた。これだけあれば次の街でもそれなりの売買ができる。マルクから4000金貨を受け取ってからも少し世間話をした。今までの旅の話やシュリメルのこと。久しぶりの友人とのひとときは本当にあっという間だった「じゃ!マルク、連れがいるから失礼するよ」「お前もついに子供に手を出したのか」「失礼な奴だな。リーニはあくまでも旅の仲間だよ」「そうか?なら商談中ほっぽっといて良かったのか?」「お前の嫁が相手してくれてたみたいだけどね」そういうと俺は外で話しているリーニとコノアを指さした。「すげぇ仲良くなってるな」「わかる?うちのサキは誰にでも優しくてコミュ力も高いから…」「はいはい、嫁の自慢話は本人の前でしてあげな。その方がうれしいと思うよ」そういいながら店を出るとすぐにリーニに気付かれた。「終わった?」「終わったよ。待たせてごめんね。コノアも相手してもらって悪かったな。リーニ少し時間も余ったし服、買いに行くか?」そういうとリーニは小さく頷いた。