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<凌太>
亮二はRyoという名前でイラストを描いていて、瞳が関わっているプロジェクトで一緒に仕事をしているとのことだった。
”たまたま“あの辺りに来ることがあり瞳を待っていた。
瞳が浮気をするとは思わないが何となく不愉快な気分になる。
セキュリティを考えると自分のマンションが安全に思えてタクシーで向かう途中、繋いだ手が微かに震えていた。
俺のせいだ
「Ryoが兄さんって呼んでいたけど」
「瞳に言っていないことが二つある」
「その前に」と言って秘書に連絡する。
マークがどこにあるのか確認するためだ。
「移動してます。スクショを送ります」
そう言って通話を終了するとすぐにブルッとスマホが震えた。
「スマホを変えたの?」
送られてきたスクショ画面を瞳に見せながら
「秘書と交換してる。俺のスマホにはGPSソフトが知らぬ間にダウンロードされていて俺は松本ふみ子にずっと監視されていたんだ。そのことに気がついたのは最近で、逆に松本ふみ子の動向をチェックしていた。それで今日、松本ふみ子がアカツキ食品の近くにいることがわかって連絡をしていたんだ」
「会議があって電源を落としていたから・・・。だから、小田原に一緒に行っていたことを知ってたんだ」
「え?」
「あの日、小田原城での写真をSNSにUPしたから凌太と私が一緒にいたんだとわかったんだと思う。それから、松本ふみ子は高校の時からずっと凌太を」
「本当にごめん、松本ふみ子が俺のストーカーだと気がついたのに、証拠を集めようとしてこんなことになった」
「ストーカーとしての証拠は少ないが松本ふみ子の両親に会ってこようと思う。瞳も襲われたのだから訴えることも出来る」
そう言うと瞳はポケットからレコーダーをとりだした。
「もう警察とかは嫌だ。だけど、また松本ふみ子が襲って来たらと思うと怖い」
「彼女、ちょっとおかしいというか」
「そうだな、俺もそう思う」
秘書からまた連絡が入り、スマホを届けに来るとのことだった。
そして俺はもう一つ瞳に話さなければならないことがあった。