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終始 桃視点
nmmn作品
青さんをこれでもかって程曇らせてます。
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パソコンから顔を上げる。
周りを見渡してみるがメンバーは誰1人居ない。
一時作業を停止している俺を見たスタッフさんが珈琲を持ってきてくれる。
うちのスタッフさん達は優しいな、なんて思いながらも。
「○○さん珈琲渡してくるとは…。寝ないでもっと働けと言ってますね。」
と、少しイタズラ気味たことを言う。
「冗談です、笑」
「ありがとうございます。」
スタッフさんはニコッと微笑みながら
「頑張って下さい」
と、一言いって去っていった。
○○さんがくれた微糖の珈琲を開けて口の中に流し込む。
かなり身の回りを支えて貰っているので、メンバーの好みは大体理解しているのだろう。
初めて飲む珈琲だが、俺の好みドンピシャの所を付いてきた為少し驚いた。
珈琲を飲みながら数分間休憩をして、もう一度パソコンと向かい合った
それから数十分。
珈琲も終わってしまった為、コンビニに飲み物を買いに行こうと思い立ち上がる。
パソコンをスリープ状態にして、廊下に向かう。
ドアに手をかけた時誰かの声が聞こえてきた。
泣いているのような声だった。
「…青ッ?」
耳をすましてみるとよく知ってる声。
心配になり声が聞こえる方へ行く。
「ここか…?」
声の聞こえてくる場所は、人気のないところにある小さな部屋だった。
ノックをしてみるが返事はない。
ドアノブを回し、ドアを開ける。
部屋の隅には過呼吸気味の青が居た。
「青ッ…?」
「ねぇッ?聞こえるッ?」
近くまで駆け寄るが此方には気づいてないようだ。
青はカッターを所持しており、首元には数cm程の切り傷が出来ていた。
「なんでッ…。」
自傷行為…?それとも自殺未遂…?
俺1人ではどうすることも出来ず、スタッフを呼びに行った。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「青さん病院行きましょう…。」
落ち着いてきた青。
そんな青にスタッフさんがそんな言葉を放った。
「…大丈夫ですッ。」
ギリギリ聞き取れる程の声量でそう呟く青。
でも今の青はどう見ても大丈夫じゃなかった。
「…どっちにしろ無理矢理連れてきますよッ。」
そう言うスタッフさんは青の腕を引っ張った。
「…桃さん左腕支えて貰っていいですか?」
「…はいッ。」
青は反抗することも無くされるがままだった。
そんな青の耳元で、ごめんな。と一言囁いた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
青の心の不調は、体の方にも栄養失調として影響が出て居た。
今までのストレスが積もって爆発してしまったのだろう。
医者には入院を勧められる。
だけど青は、「嫌です」の一点張り。
医者が、「なら薬を処方する」と言うと。
「それも嫌だ」と拒否をする。
「ねぇ。せめて薬だけは貰おうよ。」
青に説得をしようと試みる。
青は下を向き黙っていた。
「私達からもお願いします。」
スタッフさんも一緒になって説得をしてくれた。
青は少し頷き、了承してくれた。
その姿を見て少し安心した。
「私的には、これは強い薬だから余り飲んで欲しくないの。」
「依存性が高くて、副作用もそれなりにある」
医者は薬に対して説明をし始める。
「でも無理だって思ったら飲んでね。」
「青くんの心を守るための薬だから。」
その言葉を聞き青は顔をあげた。
少し目に涙を浮かべた後。
「本当に守ってくれるの?」
と、一言呟いた。
きっと青なりのSOSだろう。
「俺も、少しは守るからさ…。」
「青もこれからは無理しないでよッ…。」
そう言って抱きしめてあげる。
少しでも負担を俺にも託して欲しい。
それを願うように、胸の中で泣いている青の頭を撫でた。