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4話 もう一人の魔法少女
新たな少女
先生「じゃあ、今日はここまで! お疲れ!」
(放課後のチャイムが鳴り、教室内は一気に賑やかになった。桜田みこは机に頬杖をつきながら、少しぼんやりしていた。ね
海「なぁ、みこ。今日はもう帰るのか?」
(隣の席に座る佐々木海が声をかける。)
みこ「うーん……ちょっと、寄り道しようかな」
(みこはスマホを取り出し、《Magica Order》のアプリを開く。最近、アノマリーの出現頻度が増えている気がする。何かの予兆かもしれない。)
海「そっか。じゃあ、俺も付き合うよ」
みこ「いいの?」
海「まぁ、最近妙に物騒だしな」
(海は軽く肩をすくめる。)
(二人は学校を出て、駅前のショッピングモールへと向かった。)
奇妙な気配
(夕暮れのモールは、多くの学生や買い物客で賑わっていた。みこと海は何気なく歩きながら、周囲の空気を探る。)
みこ「……なんか、嫌な感じがする」
みこが足を止めた瞬間——。
ズゥゥン……
(空気が一瞬で重くなり、辺りが不自然な静寂に包まれた。)
海「来たな……」
(海が小さく呟く。)
(モールの奥——人気のない通路の先に、黒い霧が渦巻き始める。そして、その中から異形の怪物——アノマリーが姿を現した。ね
みこ「……っ!」
(みこは迷わずステッキを取り出し、魔法少女の姿へと変身する。)
みこ「やるしかないね!」
海「おう、俺も援護する」
(海も拳を握りしめ、戦闘態勢に入る。)
(しかし、そのとき——。)
???「……あなたたちも、戦う側?」
(静かな声が響いた。)
(みこが振り向くと、そこには見知らぬ少女が立っていた。)
(長い黒髪に、凛とした表情。制服は自分たちとは違うデザイン——つまり、別の学校の生徒。)
みこ「え……あなたは?」
とき「松下とき。あなたたちと同じ、《Magica Order》に選ばれた者」
(彼女は、みこと海をまっすぐ見つめていた。)
松下ときの力
(アノマリーが咆哮を上げ、襲いかかる。)
(みこが防御の魔法を発動しようとした瞬間——。)
とき「大丈夫。私がやる」
(ときが一歩前に出た。)
(次の瞬間——。)
(彼女の手に持たれたステッキが、光を帯びる。)
とき「……『断罪の鎖』」
(その言葉と共に、無数の鎖が空間から現れ、アノマリーを拘束した。)
「っ!?」
(アノマリーは暴れるが、鎖はびくともしない。)
みこ「すごい……」
(みこが驚きの声を漏らす。ときは冷静にステッキを振り上げると——。)
とき「消えて」
(その一言で、鎖が収縮し、アノマリーは断末魔の叫びを上げながら霧散した。)
(辺りに静寂が戻る。)
とき「……終わった」
(ときはステッキをしまい、みこを見つめた。)
とき「あなたたちと同じ……いいえ、あなたたちよりも、私はずっと前から魔法少女をやってるの」
(みこと海は、目の前の少女の強さを前に、ただ言葉を失っていた——。)