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〜イタ王side〜
人間と関わりたく無い。
誰とも話したく無いし誰とも会いたくない。
それでも働かず引きこもる訳にもいかない。
金がなければ死んでしまう。
だから今日も職場に行く。
自分が生きていくために。
今日もまた怒られた。
何度目だろう。
最初は優しかった上司、ナチス・ドイツも私の顔を見るだけで顔をしかめ、あからさまに嫌がっている雰囲気を出してくる。
「前にも言ったよな?」
「すみません…。」
「別に謝って欲しい訳じゃ無いんだが。」
「すみません…。」
「もういい。さっさと戻って仕事しろ。」
「すみません…。」
「チッ………。」
「すみません…。」
どうしたら良いのだろうか。
無能な自分なりに頑張っているつもりなのに。
いつもいつも小さな事で怒ってくる。
きっとioが気に入らないのだ。
立場が上だからといじめてくる人間性に心底呆れる。
だけど自分が確かにミスをするのも確かであった。
「もう嫌だな…」
仕事中、職場の空気に耐えられなくなりトイレに逃げ込んだ。
そうしてSNSの鍵垢に愚痴を書き込む。
そうこうしているといつのまにか30分も経っていた。
もう戻らなければ。
疲れていても、上司からいじめられても、仕事をしなければならない。
どうしてこんな会社に入ったのだろう。
その時、たまたま目に入った。
いや、自分がそれを望んでいたからかも知れない。
転職。
ネットの広告に書いてあったその2文字に目を奪われた。
「やめます。」
次の日、ioは辞表を上司に渡した。
どこか行く宛はあるのか。そう聞かれたが私は答えることは無かった。
それから数ヶ月後、ioは新たな職についた。
今回は高校時代の友人からの紹介であり、会社の評判も良かった。
前の会社では上司が悪かったのだ。
きっとここでなら正当な評価を受けられるだろう。
そう思っていた。
一年ほどたち、仕事にも慣れ始めた頃。
この会社でも上司が嫌がらせをし始めた。
大日本帝国…なぜこうも性格の悪い上司に当たってしまうのか…。
「ここ何度も教えたよな?」
「すみません…」
「どうしてくれるんだ?これ大事なやつなんだけど。」
「すみません…」
「すみません以外言えないのか?」
「すみません…」
「はぁ…」
「すみません…」
どうしてこんなに嫌われなければならないのか。
どうしてこんなに嫌がらせするのか。
「人間って嫌だな…」
人間とは仕事が出来るからいじめるのではない。
気に入らない相手だからいじめるのだ。
みんな私が気に入らないのだろう。
結局職場を変えても対応は変わらなかった。
私は悪く無いのに。
〜日帝side〜
暗いオフィスの中、今日も1人で残業をしている。
最近入って来た新人は使い物にならなかった。
どころかミスばかりして逆に私の仕事が増えている。
どれだけ言っても「すみません」だけでミスを減らそうとしない。
自己中心的なのもあるのか、まるで自分は悪く無いとでも言いたげな口ぶりだ。
部下がなにかミスすると私の責任になり上の奴らに怒られる。
だから残業してでも頑張らなければ。
時計を見ると時刻は夜中の2時を超えていた。
終電は12時。
もうとっくに家に帰れる時間を越していたのだ。
………どうしてあんな奴のせいで頑張らなければならない?
おかしいだろうこちらを恨んで憎んで自分勝手な理由で私を嫌う奴のせいで…。
毎日毎日毎日毎日。
怒られても、怒鳴られても、毎日家に帰れないくらい精一杯頑張っているのに。
あぁ本当…
「死にたいな…」
〜イタ王side〜
「ねぇ聞いた?日帝さん、会社のトイレで自殺未遂したって!!」
「え、そうなの!?大丈夫なのかな…」
次の日来ると大きな騒ぎになっていた。
まるでioのせいとでも言いたげにioの作った資料を見直している途中で自殺を測ったみたいに。
机に資料を広げたままトイレに行ったらしい。
上司はこうやってまた被害者ヅラをして私にいやがらせをする。
どうせ死ぬ気など毛頭無かったのだろう。
ioの方が辛いに決まってるのに。
本当に性格が悪い。
「そのまま死ねば良かったのに。」
コメント
18件
日帝さんがーーー!!!でも、イタ王さんは悪くない
勘違いってやばいな。この話は勘違いがやばいことを知らせてくれる教育ノベルなのかも((は?
ぐああああああなんか好き