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―――1時間後―――
ホテルを離れたあの日から、今日でちょうど1週間が経った。
ヴィンセント・・・もといヴォックスは“1週間後に答えを聞く”と、そう言っていた。
いつどこで彼が姿を見せるか分からない恐怖に怯えながら
滞在していた宿も引き払い、今こうして静かな裏路地へと身を隠している。
〇〇(分かってる・・・こんなの、ほんの時間稼ぎにもならないって)
同じ地獄にいる以上、いつかは彼に見つかるだろう。
いずれ来るその日まで、私はずっと怯えながら身を隠し続けなければならないのか。
見えない未来への不安が募り、私は蹲ったままいっそう強く自分を抱きしめた。
??「ようやく、見つけましたよ」
〇〇「ッッ!?」
少し離れたところで声がして、反射的に二丁拳銃を構えて立ち上がる。
しかし警戒したのは一瞬で、そこには見慣れた姿があったのだ。
〇〇「・・・・・・アラスター・・・・・・」
アラスター「しばらく姿を見せないと思えば・・・随分大荷物でお出かけですねぇ?」
アラスター「この素晴らしい地獄で、どこかご旅行にでも?」
〇〇「・・・・・・ん、まあね。しばらく帰らないつもり・・・なんだ」
ばつが悪くて視線を彷徨わせると、ほんの少しの沈黙が2人の間に落ちる。
アラスター「・・・・・・ッハハハハ!しばらくですか!」
アラスター「・・・・・・“二度と” の間違いでは?」
〇〇「!!」
ぴしゃりと核心を突かれ、ぎくりとして地面に視線を落とす。
アラスター「てっきり貴女はホテルを出て行ったものと思っていましたよ」
アラスター「部屋はもぬけの殻、鍵はご丁寧にフロントへ返されていたものですからね」
アラスター「なので・・・・・・お別れを言いに来て差し上げたんですよ」
軽快な足取りで私の目の前に近づいてきたアラスターの足下が視界に映る。
“お別れ” そのたった一言に胸が締め付けられ、心が小さく悲鳴を上げるのが分かった。