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じわじわじわじわ目からあふれてくるものが・・・・(笑) 次のお話も楽しみに待ってます !
互いを思うあまり喧嘩に発展するのが本当に愛しいです😖😖💗💗💗 後で客観的な視点で思い返すとどちらの言い分も理解できるしどっちも悪くないからこそややこしくしちゃってるんですよね… しかも"自分が相手を傷つけた"ってなると自己嫌悪に陥ってどうしようもなくなるのが鳴保だし 相手に何か癪に触ること言われたってよりも、"相手を傷つけた"ってところに後悔して悩むのがほんとに人の良さ出てる…😖💗💗
保科さんも鳴海さんも言ってること正論なんやけどそれがぶつかって喧嘩的なのなってるのがまじで涙出ます😭 続き楽しみです✨🙌
甘い喧嘩
あかん、ちょっと痛む。
まあ生きとっただけマシか、。。
今日の討伐自体、怪獣のフォルティチュードは高くなく、比較的簡単な討伐だった。10号スーツを身にまとい、いつも通り討伐を行った。
ただ、少しヘマをしてしまい傷を負ってしまった。割と、……ちょっとだけ深い、と医療班から言われてしまった。だが動ける程度には大丈夫。じくじくと少し痛む傷を抑えながら家へと帰宅。
「ただいまあ」
家へ帰るなり恋人のお出迎え。もうこれだけで傷が治った気がした。ゲームをしていたのだろう。片手にゲーム機をもって、それでも僕の方へ来てくれた。なんと愛くるしいのだ、。。
「おかえり」
「ん、ただいま」
ギュッと抱きしめられる。
討伐帰りの日は必ずそうしてくれる。それから何事も無かったかのようにリビングへと足を運び帰るが、耳から首までを真っ赤に染めている。ほんまにかわええなあ、……
それからご飯を食べ2人でゆっくり過ごす。
ふと、隣から最近聞いてなかったワードが聞こえてきた。
「保科」
「ん、?どないしたん??」
「…風呂」
「一緒に、……」
目はゲームからそらさない。言ったあとすぐに口をきゅっと結んだかのようになり、すぐに顔が赤くなっていた。
ほんとはすっごく嬉しい。入りたい。鳴海さんからのお誘い。。断る訳には……。。
いつもならすぐにOKを出す。だけど今日は無理だった。
ヘマした傷があるから一緒には入れない。
「ぁー、……ほんま堪忍、、」
「今日は入れないねん、…」
精一杯の困り顔。ほんまは僕かて一緒に入りたい、!!!!あぁ、……なんでこんなヘマをしてしまったのだろうか。
いくら近距離戦とはいえあれはちょお厳しかった、。。いや、状況が悪かった。まあ、10号のことや、。僕と意見が合わへんのは承知の上。また訓練せえへんとなあ、……。。。うわあ、嫌や。あいつほんまうるさいねん、。。
そういえばいつまで経っても返事が返ってこないため、少し鳴海さんの方を見る。
目が合ってようやく、口を開いた。
「……」
「今日の討伐で怪我したのか??」
「ぇっ、……あー、…はい、まあ、」
「でも、!!ほんまかすり傷程度やからすぐ治る」
笑って説得するが全くもって無理なようだ。
服をつかまれ捲られる。
「ぇっ、ちょ、!!??」
「……」
そして見つかってしまった。
それを見るなり鳴海さんは僕に問いかけてくる。だんだんと声が大きく、荒くなる気がした。
「……これ」
「今日の怪獣、フォルティチュード低いよな?」
「え、えぇ、……」
「…何があってこうなった」
「ちょお、油断してもうて、……」
「は??」
「でも、!!全然浅いし、あと2日あったら治る程度やから全然大丈夫やで」
「…これのどこが浅いんだ、??」
「……これ、相当痛いだろ。」
「なんでもっとしっかり手当してもらわなかったんだ、……」
「いや、せやから大丈夫っ、」
「大丈夫じゃないだろ、!!」
「…もっと、、自分の体大事にしろ、……」
「そーゆー軽いところがダメなんだ、!!」
「は、??軽いってなんやねん、!!」
「だから!!大丈夫とか、浅いとかかすり傷とか、!!」
「自分の怪我の度合い分かってないだろ!!」
「そんなんだから怪我すんだ!!」
「は??意味わからん、」
「自分の体、自分がいっちゃんよう分かっとります、!!」
「大丈夫やから大丈夫やって言うてん、!!」
「そーやって誤魔化して死んできたやつが何人も居るんだよ、!!」
「ボクは心配して言ってやってんだ!!」
「そんな脆ないから!!!」
「ボクより強くなってから言え!!」
「なっ、……」
「っ、……どーせ、今回も勝手に前戦に出たんだろ。」
「出るなとは言わないがもう少し考えろ」
「考えろて、……なにも見とらんくせに何言うとんのっ、!!」
「僕が行かへんかったら亜白隊長へ繋げへんし、…!!死んでもうたやつがおったかもしれへんやん、!!」
「だからってそんな無防備な戦いする必要あるのか!!??」
「お前が死んだら何も残らないだろ!!」
「そーやって正当化するなよ!!」
「は??正当化って、、!!」
「怪我して帰ってきてんだよ!!」
「完璧成功で終わってないだろ!!」
「っっ、!!」
「もう、、分かりました、!!とにかく大丈夫やから、!!」
「チッ、……全然分かってないじゃないか、」
「もういい、……勝手にしろ、」
たかが数分。
そんな短時間でピークに達して大喧嘩。
気づいたら鳴海さんは玄関の方にいた。ジャケットを羽織り、靴を履いている。
「は、?、まっ、……」
「どこ行くねん、??」
「うるさい」
がちゃ、と音が鳴り、次に聞こえるのはバタン、と閉まる音。
え、……嫌われた、?、。。
どないしよ、……怒って出てってもうた、。。
慌ててスマホをとり、電話をかける。もちろんそう簡単に出てくれる訳でもなく、メールを送っても未読。
あかん、……どないしよ、、、。。
~
その日はもう鳴海さんは帰って来なかった。
なんであの時、電話じゃなくて走って追いかけなかったんだろう。なんであの時、ちゃんと鳴海さんの心配を受け止めてあげれなかったんだろう。
全てが全て大失敗。
事務作業なんぞ手に付かない。机の上の紙が消費するのではなく、コーヒーばかりが消費している。
嫌われてもうたかなあ、……。。ちゃんと話聞いとけばよかったなあ、……。。
こっそりポケットからプライベート用の端末を出し、メールを開く。あれからメールはまだ未読。ただでさえ冷たかった心が、手元にある冷たい電子機器のせいでさらい冷たく沈む気がした。
はああああ、……辛い、…
誕生日まであと1日後。
明日はスーツ。
明後日は会議と誕生日。
今日は何も無い日。ひたすらに気分は落ちてやる気が出ない。そんな甘えたようなことを思ってる暇あったらこの書類たちをまとめなければ。
体が動かない。
動かんかい体ぁ、……。。
なにもやる気になれない。書類、今度でもええかなあ、………、、、。。
あかん、……ほんまにダメダメや、……。。
鳴海さん、今何しとるかなあ、
鳴海さんは僕のことどう思っとるんやろーな、……。。
てか誕生日誕生日て、……アホみたいやな、。
別に、…そんな気にしとらんし、。。
なんなら別に、。。いつでもええし、。
もーーーーー、……あかんわほんま。
こんなんやから怪我してまうし、。。
心の冷えが先日の治りかけの傷へと伝わったのか、少しづつ治ってきた傷が、また傷ついてすぐのように痛み出した気がする。何もできない自分、恋人に見捨てられて事務作業すら手につかない、という絶望的な現実と、痛む傷。体から心、精神面において一気にダメージをくらい、既にも瀕死状態。「どっちも悪くない」と今まで思っていたが、もしかしたら自分が悪いのかもしれない。鳴海さんの優しさを、大丈夫、と突き放して、さらに自分もカッとなって怒ってしまう。意味わからん中学生の喧嘩みたいで幼稚な自分に呆れてものも言えない。
嫌われ、てもうたかなあ、……。
そう思うと体が冷えてきて顔周りが熱くなってくる。次第に目頭、目尻に水が溜まってきて視界が潤んできた。
あかん、だめ、。職場、、
そうや、鳴海さんの言う通り、。。自分のことはしっかり自分で管理せえへんと、、
こんなとこで泣いたらあかん、。自分勝手すぎる。
慌てて服の袖でこぼれ落ちそうになったものを拭う。
はよ、もっかい話したいなあ、
ねくすと100
またじかい✧·˚⌖. ꙳