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臣桜
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#リスカ、OD表現あり
一星 玲透
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皆様方々、ごきげんよう諸君達がカエデの奇跡を辿ってくれて
私は嬉しい限りだ
さて、本日は「組入門」だ
異種族が蔓延るこの世界、どう生きどう感じ
カエデの人格が形成されたのか
山頂まであと少しだね、おや?時間か、それでは
「主の過去 組入門」はじまり、はじまり
僕は竜胆の背中にいた。
ゆっくりと揺れる体、広い背中、暖かい体温
全てが壊れていく感覚があった、僕が居る事
同じ人間から
忌み子と言われ虐げられてきたこの瞳
だけど、両親やマザー、ファザー、お嬢が居た
助けてくれた巨人さんや妖精さんも居た
「必要」と言ってくれたみんながいた
だから僕は諦めたくない、忌み子?
だからなんだ、、、僕は強くなりたい
竜胆のような、居てくれるだけで安心出来る男に
なりたい
そう思ったけど、僕は竜胆の背中で目を閉じていた
眠っている訳じゃない
目を開ける気力がもう、、、なかった
竜胆
「………」
竜胆は何も言わなかった
ただ、僕を背負いゆっくり歩いてくれている
やっぱり竜胆の背中はおおきいな
カエデ
「竜胆」
竜胆
「なんだ」
カエデ
「組ってどんなところなの?」
少しの沈黙
竜胆
「カエデが強くなれる場所だ
今は気にする必要はない、着いた時どうしたいか
決めればいい、組に1度助けて貰う」
カエデ
「でも…僕が行っ」
竜胆
「今は休め、寝てていい」
竜胆の声がいつもより優しかった
僕はまた、目を閉じた
館には、もう帰れない
優しかったマザーにも沢山教えてくれたファザーにも
隣に居てくれたお嬢にも会えない
それでも
竜胆だけは、僕を背負って歩いてくれてる
この日から僕は、新しい場所に向かう事になった
後に僕の人生が変わる事になるとは
この時はまだ僕はしらなかった
しばらくして、組に着いた
門番下っ端さん?が2人立って見張りをしていて
僕達に気がついたみたい
下っ端
「っ!
竜胆の兄貴!お疲れ様です」
背筋がピシッと張り綺麗に立っていた
竜胆
「お頭は奥(組長室)か」
下っ端
「はい!お頭からは兄貴がお戻りになったら、何を
おいてもすぐに通せと言われています。こちらへ!」
門番は玄関番の持ち場を後輩に目配せで託すと、自ら先導して廊下を早足で進んだ。突き当たりにある、重厚な黒塗りのドア――組長室の前で立ち止まる。門番の手は緊張でかすかに震えていた。
__コン、コン。
下っ端
「お頭!ご多忙の中、失礼します。竜胆の兄貴が
ご帰還なされました」
下っ端が恭しく開けたドアの向こうで、お頭は静かに待っていた。部屋の奥、大きなデスクの後ろに座る
お頭は、ヤクザ特有のギスギスした威圧感ではなく、海のように深く静かな威厳を湛(たた)えている
その穏やかな眼光が
部屋に入ってきた二人を捉えた。
下っ端が静かにドアを閉め、部屋が完全な密室になる。
竜胆はカエデの手をひいたまま、お頭のデスクから
数歩手前で足を止めると、そのばに深く深く
平伏(ひれふ)した。
畳に額を擦り付けるような最大限の敬意と、そして
言葉に尽くせぬ謝罪の姿勢だった。
竜胆
「お頭….夫妻一家を守りきれず
誠に申し訳ございません。すべて、私の実力不足です。」
床にキツく深く額を押し当てたまま、竜胆は
喉の奥から、絞り出すように声を出した
竜胆
「あの時、私は奥様の気迫と覚悟を受け取り
指示に従いました、だからカエデだけを連れ
屋敷から出ました、私はこの判断は間違えてたとは
思いません。ですが、私の詰めが甘かった
もっと思考を巡らせ最適解を導けたと自負しています。どんな処遇でも受けます
No.3の竜胆の失態を罰して下さい
本物に申し訳ございませんでした。」
竜胆は言い終わると、口を噛み締めた
極道組織のNo.3という重責。長年培ってきた
己の矜恃(きょうじ)があるからこそ富豪一家を守り切れなかった
と、自責の念(じせきのねん)に駆られていた。
「詰めが甘さ」が許せない。この胸を焦がす後悔は
自身の体を差し出す他ないそう感じていた
隣で聞いていたカエデは全ては理解していなかった
だが、大きくて強い竜胆が今、張り詰めた空気の中
後悔していると言う事は分かった。
部屋は沈黙で包む静寂の中やがて、ぎしりと椅子が軋み、お頭は竜胆の前までゆっくり歩いた
カエデを見つめ、竜胆を見つめ口を開いた
お頭は空気をふっと軽くさせた。
お頭
「竜胆、面(おもて)をあげなさい」
その顔には皺が寄り、歴戦を束ねる長の絶対的な
慈愛に満ちた圧があった
お頭
「夫婦の覚悟を背負い、ちびすけを命がけで
ここまで連れて帰ってきた。
その判断のどこが失態だ。お前は極道としてのスジも、男としての義理も、完璧に果たしてみせた。
誰も、お前を罰することなどできん。……俺も、な」
お頭はフッと優しく目を細めると、竜胆の肩をポンと叩いた。
お頭
「自分の『甘さ』を責めるその貪欲さがある限り、
お前はまだ強くなれる。……竜胆
よく生きて戻った。お前の帰還を歓迎する」
竜胆
「お頭…本当にありがとうございます」
お頭
「ふっ、いい事よ」
お頭はカエデに視線を移した
カエデ
「………?!」
お頭の視線が重かった、体が軋むような感じだった
お頭
「お前は、あの時の..そうか色々頑張ったな
カエデと言ったか、お前はどうしたい。
何を考え、何を求める」
お頭はカエデの頭をわしゃわしゃと撫でた
大きな手だった、何故か口が言う事を聞かなかった
そこに恐怖は無い、不思議な人だ
カエデ
「僕は…皆を守れる『強さ』が欲しい」
お頭
「ほぅ、故に強さとはなんだ?」
お頭の声が低く木霊した
これが、「試されてる」というやつだって
分かった
引けない、このモヤモヤに嘘を着いたらいけない
僕は出来る、言える。
カエデ
「僕は、沢山失った。悲しい、ずっと寂しい
だから、皆が優しくしてくれた
僕も「強く」みんなを守れる「力」と誰にでも
手を差し伸べれる「優しさ」を学びたい。
僕はね、忌み子なんだ!だったら本当の
好かれる忌み子になる」
カエデは単純だ、だからこそ思った事しか言えない
この気持ちに嘘偽りがないとお頭も竜胆も分かっていた。
カエデは身体能力がずばぬけていると竜胆から聞いた
「学び」はゆっくりだ、その分「身体」は頑丈
愚直し素直、もし他にカエデを利用されたら
読んで字のごとく、道を踏み外す
お頭はカッカッカッと笑い飛ばした
うむ
お頭
「カエデ、好かれる忌み子とはなんだ?矛盾してるな
だが、今はそれでいい、、悔しいのだろう
泣きたいのだろう常に守ってもらう。それが嫌になったが正しいのか?
君はまだ若い、うちに入れば強さを得れる
男を磨かないか?俺はお前を歓迎する」
カエデ
「強くなれる……おじいさんお願いします」
竜胆
「おじ….カエデそれは良くな、」
お頭
「よいよい、まぁなんだ?おじいさん
事実だしな、カエデは10、俺は70の後半だ
お頭や頭って呼んでくれたら俺は嬉しいぞ
カエデ、今日からうちの一員だ
若いは素晴らしいのだよ、組も活気もんだな!」
本日はこれにて閉じさせてもらう
どうだったかな?
カエデは10歳にして経験を積み過ぎた
元々ゆっくりな子だ、そこに新たに感情の蓋が入る事で更に遅くなっていた
新たに希望の活路を見出した
おや?時間か、次回「主の過去 組に貢献」
また、お会いいたしましょう。
コメント
1件
ムメイさん、第12話「組入門」読み終えました。 カエデが竜胆の背中で感じた温かさと、全てを失った後の静かな覚悟が胸に沁みました。お頭との対話シーンも良くて、「好かれる忌み子になる」というカエデの言葉に、彼の純粋さと強い意志が表れていてじんときました。竜胆の深々とした謝罪と、それを「帰還を歓迎する」と受け止めるお頭の器の大きさにもぐっときましたね…新しい家族の形が静かに始まった回でした。続きが気になります!🌷