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コンコンコン。
「あのう、いらっしゃいますか?」
もう懲り懲りといった様子で側近は戸を叩きました。
それと対照的に、王子の顔は希望に満ちていました。
「よくそんな顔できますよね。もうみんな、ヘトヘトだっていうのに。」
側近は首をすくめながらそう言いました。
「なんだかいい予感がする。当たるんだよね、僕の勘。」
はいはい、と軽くあしらわれつつ応答を待つと、は〜いという声と共に初老の女性が出てきました。
「はいはい、なんでしょっ、はいっ?」
一瞬で女性はすごく驚いた顔になりましたが、すぐに調子を戻し、こう言いました。
「し、失礼致しました、、どのようなご用件でしょうか、?」
王子は、ガラスの靴を女性にみせて、こう言いました。
「この靴を履くことのできる娘を探しているんです。お宅には娘さんがいらっしゃるでしょう?娘さんに履いてみて欲しいのです。」
「えぇ、もちろんですとも。中へどうぞ。シンデレラ!お茶をお出しして!」
そう言って女性は娘を呼びに行きました。
数分後、王子は絶望していました。
女性が連れてきた娘達が、2人ともあの晩に見た顔ではなかったからです。
娘達もそれを察したようでした。
「ぜーったいウチら違うと思うんだけどぉ。」
「ガチそれなぁ。あの夜王子と話してもいないしぃ。」
それを聞いていた側近は、冷や汗をかきながらこう言いました。
「ま、まあ、、。履いてみないとわからないですから、、。こらっ、殿下、そんな顔しないんですっ。」
そうやってわかりやすく落胆した表情の王子を叱りながら、靴を履くように勧めました。
結果は、皆さんがご存知の通りです。
王子の期待虚しく、娘達の足にガラスの靴は大きすぎました。
小さかったのではありませんよ。
大きかったのです。
「殿下。この国のどこにもこの靴を履くことができる娘などいませんでしたよ。我々も、国外を探す元気はもうありませ「どうぞ、お茶です。」
茶を持ってきた青年のその鼻にかかった声に王子は反応しました。
「ねぇ、君。」
「はい?」
青年は顔を上げました。
王子は、その顔を見て確信しました。
あの夜会った娘だと。
「君だよ!絶対に君!ねぇ、覚えてない?あの夜会ったよね!?」
そう言われた青年は困惑しながらも、首を縦に振りました。
「やっぱり!ねぇ、この靴、履いてみてよ。きっと履けるから。」
靴を差し出された青年は、戸惑いながらも自分の靴を脱ぎ、ガラスの靴に足を差し込みました。
するとどうでしょう。
ぴったりなのです。
「えぇ、、、」
側近は思わず声を漏らしました。
「やっぱ君なんだ!本当に?夢じゃないよね?よかったあー!!!!」
王子はシンデレラを抱きしめてそう叫びました。
満足するまで抱きしめたあと、王子はこう訪ねました。
「ねぇ、名前は?」
シンデレラは答えました。
「リョウカと言います。」
「そうか、、、リョウカ、、いい名前だ、、、。」
そう言うと、王子はリョウカを抱きしめていた手を緩め、跪いてこう言いました。
「リョウカさん、僕と結婚してください。」
周りからは悲鳴が上がりました。
義姉と継母は満足そうに、側近は顔を真っ青にしてリョウカの返事を待ちました。
しばしの沈黙の後、リョウカは口を開きました。
「結婚ってさぁ。僕、男なんです。」
それを聞いた王子は腰を抜かし、側近はぐぅ、という音を鳴らして倒れ、しばらく動けなくなってしまいました。
続きます✨
コメント
1件
ぎゃはっ!!最後の「僕、男なんです」で全部ひっくり返るところが天才すぎる😂💖 王子がプロポーズまで勢い込んでからの腰抜かし、側近が「ぐぅ」って倒れるのも含めて完璧なオチだったよ〜!!シンデレラ探しの話だと思って読んでたのにまさかのBLフラグでテンション上がりまくった✨ リョウカくんのクールな返しも最高、続きめっちゃ気になる!!