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102 - 第102話  信じ合っていれば③

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2024年09月26日

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「なんで言い切れるの・・?」


すると、少しずつ透子の気持ちと言葉が揺れ始めてきたような気がして。


「自信あるから」


だからオレはずっとブレないこの気持ちと言葉を透子に伝えるだけ。

今は不安にさせてしまうかもしれないけれど、必ず大丈夫だという、その自信も変わらないから。


「樹はなんでそんな強いの・・?」

「そりゃ・・・オレには透子がいるから。透子がいてくれるからオレは強くなれる」

「私なんもしてあげられてないよ?」

「透子がオレの頑張れる理由になってる。一緒にいてくれるだけでそれでいい。透子がいなくなったら、オレはオレで無くなるんだよ?」

「私だって、もう今樹がいない自分なんて考えられないよ・・・」


やっと素直な気持ちを伝えてくれた。


「なら。悩む必要ないじゃん。とにかく婚約のことは透子が気にすることない。オレが絶対なんとかするから」


オレの意志なんてどこにもない。

ずっと一緒にいたいのはただ透子一人だけ。


「ホントに、信じてていいの・・?」

「もちろん。ずっとそう言ってんじゃん」


その透子の言葉を聞いて、透子もまだ同じ気持ちでいてくれるのだと嬉しくなる。


「これはさ、オレだけ頑張っても成り立たないんだよね。透子もさ、オレを信じて頑張ってくれないと。だからさ、一緒に頑張らない?」


透子が信じてくれなければ、いくらオレが頑張っても意味がない。

透子がいてくれるから、オレは頑張る意味がある。

透子が信じてくれているなら、オレは頑張ることが出来る。


「一緒に・・?」

「そう。お互いどんな状況だとしても、お互いを信じて頑張る。いつかさ、ホント何の問題もなく一緒にいられる時まで」

「じゃあ一緒に頑張ってたらその時はいつか来るってこと?」

「うん。正直これからもまだ透子が不安になったり心配するようなことが出てくるかもしれない。だけど・・、これだけは覚えておいて。それはオレと透子がこの先一緒にいられる為に乗り越えなきゃいけない必要な時間だって」


今のこの状況を解決するには、それなりの時間も必要で。

だけど、その時間で透子も離れてほしくない。

だから、透子も一緒に頑張ってくれれば、ただ信じてくれていれば、きっと乗り越えられるはずだと、そう思えるから。


「わかった・・・。私も樹と一緒に強くなる」


そして透子は微笑みながら心強い言葉を返してくれた。


「それでこそオレが惚れた透子」


オレが好きになったばっかりに、透子までツラい想いさせてごめん。

だけど、どうしても透子だけは手に入れたかったんだ。

どうしてもオレを好きになってほしかった。


だけど、透子はまたオレを信じてくれた。

まだ好きでいることを選んでくれた。

それが有難くて、嬉しくて・・・。


「まぁ、とにかく自分なりに頑張るよ」


そして透子はもう平気そうに力強い言葉をオレに返してくれる。


「うん。でもまぁまさか麻弥が透子にそんなすぐに報告するほど仲いいとは思ってなかったから、それはちょっと想定外だったけど」

「最近は全然会ってなかったんだけどね。てか、こっちこそ麻弥ちゃんと樹が幼馴染でそこまでの仲だって知らなかったからビックリなんだけど」

「あぁ・・確かにそっか。てか、それもホントはオレの責任かもな~」


結局この結果もオレが透子を好きだからこそ起ってしまったことなんだと、改めて気付いた。


「樹の責任って?」

「だって、透子と麻弥引き合わせたのオレだし」

「どういうこと?」

「オレがまだ透子に憧れ始めた頃、麻弥がプロデュースしたいって話持ってきて。オレが力貸すよりそういうのヒットさせてる透子にお願いした方が確実だろうなって思って、透子と一緒に出来るようにしてもらった」

「確かに・・イキナリ私指名でその時プロデュースの話来たから少し不思議だったかも。そっか、そういうことか」

「まぁそれは上辺の理由で、裏の隠してた理由は、麻弥通じてでも透子と繋がるきっかけ欲しかったから。多分透子気付いてなかったと思うけど、オレその当時麻弥に付き添って現場だったり何度か透子と顔合わせてたんだよね」


どんな些細なきっかけでもよかった。

透子に会えるなら。

例えオレの存在なんて目に入らなくても、ただの仕事仲間としての大勢の中の1人だったとしても。


その頃のオレにとっては、先輩である透子に部署も違う上に、簡単に会う機会なんてなくて。

だから、麻弥がその話を持ちかけて来た時、正直チャンスだと思った。

このきっかけなら自然な流れで透子に会えるし繋がることが出来ると思った。

ただ現場で透子の姿を見れるだけで、会えるだけで十分だった。


「えっ! 樹・・いた??」


だけど、透子は当然の反応をする。


そう。そんなもんだった。

きっとオレの存在なんて透子にとっては。

オレにはどんな透子も記憶に残っているけど、透子にとってはオレに気付いてくれたのなんて、つい最近で。

透子の中で今はどれだけオレを記憶してくれているのだろう。


「いたよ。 その時の透子はやっぱ仕事に夢中で、オレのことなんて全然目にも入ってなかったけどね」

「私、樹とずっと前から出会ってたのに、全然樹に気付けてない・・」

「仕方ないよ。まだその時はオレも透子と釣り合える男になりきれてなかったし、まだ気持ちを伝える勇気も、存在すらまだ知ってもらう勇気さえなかったんだから」

「もしその時から何か始まってたらまた状況変わってたりしたのかな」

「いや。きっとその時のオレは頼りなさすぎて、透子と始めることなんて出来なかったと思うよ」


ずっと決めていたから。

ちゃんと透子と釣り合えるくらいの男になるまでって。


「そんなことないでしょ。樹は樹なんじゃないの? どんな樹でもやっぱりまた惹かれてたような気がするけど」

「っていうか、オレがダメだったんだよね。絶対に自分に自信つけてから、透子の前に現れて始めたかった」


どんなことがあっても透子を振り向かせる自信をつけてから。

どんなことがあっても透子を守れるくらいの男にならないと、意味がなかったから。


「よく私も他の人の元に行かないでいれたよね」


ホントはそれまでに誰かのモノになってしまわないか不安で仕方なかったけど。


「まぁもしそうだったとしても、どうにかして奪いにいってただろうけどね」

「ウソ」

「ホントに。自信ついたら、透子がどんな状況であれ自分のモノにしようって決めてたから。だから結局透子はオレから離れられない運命なんだよね」


それだけ魅力的な透子だから、きっとオレはずっと諦めることは出来ないから。

きっとまたどんなことをしてでも透子を手に入れていたのだと思う。


「何それ・・」

「まぁだから、きっと透子が離れたとしても絶対取り戻しに行くから覚悟しといて」

「離れないし・・・」

「いや。透子はすぐ周りの事考えて自分後回しにしちゃうからオレが心配なんだよね」

「そんなことないよ・・」

「もちろん。信じてるよ、透子のこと。だけど、そのことはちゃんと覚えておいて」

「わかった・・・」

「だから、ずっと何があってもオレを好きでいて」

「うん。ずっと好きでいる。何があっても」


きっとまた今みたいに予想もしないことが起きるかもしれないけど。

きっと同じ気持ちでいられれば、乗り越えられるはずだから。

いつかその時まで待っていて。

ずっとオレを好きでいて。

どうか、ずっとずっと・・。




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