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戦いのあと――桜は、軽い打撲と擦り傷だけで済んだ。
……と思ったのも束の間。
「……けほっ……っ、けほっ」
「おい、桜。大丈夫か?」
「だっ、だいじょぶっ……つってんだろが……っ」
(顔、真っ赤)(声ガサガサ)(目もうるうる)
「……だいじょばくねぇよ。」
ふらりと立ち上がろうとして、そのまま座り込んでしまった桜。
そんな桜を、梅宮は抱きかかえる。
「お、おいっ!!おろせよぉっ!!は、恥ずかしいだろがあああああ!!」
「いいじゃん、俺だけだし。桜、ちっちゃくて軽いし。」
「うっ……な、なんかムカつくぅぅぅぅぅッッ!!////」
(しかし暴れる元気はない)(完全に熱出してる)
───数時間後、梅宮の部屋。
ベッドの上で、汗をかきながら寝ている桜。
その額に、優しくタオルを乗せる梅宮。
「……もうちょっと早く助けてやれればな」
ポツリと、後悔にも似た呟き。
「……うるさい……梅宮のくせに……」
「お。起きてたか」
「……お前の声、デカいんだよ……バカ……」
「そっか……悪かったな」
(でも、桜の声が聞けて内心ホッとしてる)
「……なぁ、梅宮」
「ん?」
「……俺が、風鈴に来て……ずっと、ひとりだったら……って、たまに思ってた……」
ぽつぽつと落ちるような声。
それでも確かに届く、小さな本音。
「でも、お前が……うぜーくらい構ってくるから……」
「……今は、ひとりじゃねぇって思えてんだよ、バカ……」
目を伏せたまま、桜が言ったその瞬間。
梅宮は、そっと桜の頭を撫でた。
それは、とてもあたたかくて、優しい手。
「ありがとな、桜。お前がいてくれて、よかった。」
そしてそのまま、額にそっと……キスをした。
「――っ!!ば、バカぁぁぁぁぁ!!!な、なにしてんだよっ!!!/////」
桜は布団に顔を突っ込んで全力でジタバタする!!
「風邪うつしたらどうすんだ!バカ!!!!!」
「俺、強いからへーきだし♪」
「ふざけんなぁぁぁぁああああ!!/////」
(でも顔は……すっごく赤くて、なんかちょっと、嬉しそうだった)
──風邪はまだ治らないけど、心は少しずつ、温かくなっていた。