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###番犬くんと優等生###
<第十章> 新たな支配者
‘2度目の監禁”
ズキズキと痛むみぞおちと、重く霞む頭。春夜がゆっくりと目を開けると、視界に飛び込んできたのは、見覚えのある白い天井だった。そして、その天井には、以前と同じ場所に、小さなひび割れが走っている。
(……まさか……)
春夜の心臓が、嫌な音を立てて大きく跳ねた。
急いで体を起こそうとした、その時、体に鈍い重みがのしかかる。無理に動かそうとしても、わずかに体が持ち上がるだけで、起き上がることができない。春夜は、混乱しながらも自分の体を確認した。両手首には、冷たい銀色の輪がはめられている。視線を足元にやると、足首にもまた、同じ感触の輪が取り付けられていた。 手錠だ。
四肢をベッドのフレームに固定され、完全に身動きが取れない状態だ。驚きと同時に、言いようのない恐怖が春夜の心を支配した。身体中に、あの屈辱的な日々が鮮明に蘇る。また、あの支配を、あの快感を、味わわされるのか。
春夜は、声にならない呻きを漏らした。必死に手錠を外そうともがくが、どんなに力を入れてもビクともしない。強靭な肉体も、この冷たい金属の枷の前では無力だった。
部屋の隅に目をやると、扉の近くに、あの巨体の男が立っていた。感情の読み取れない表情で、ただ春夜の方を見つめている。男の口が何か動いているが、春夜には何を言っているのか聞き取れない。しかし、その存在だけで、春夜の心をじりじりと焼くような嫌な予感が募った。ここから逃れることはできない。そう、宣告されているかのようだった。
絶望に打ちひしがれ、春夜が天井を見つめていた、その時。
カチャリ、と鍵が開く音がして、部屋の扉がゆっくりと開いた。春夜の心臓が、恐怖で凍りつく。そこに現れたのは、二人の人物だった。
一人は、春夜の記憶に新しい、あの流風。彼は、春夜を屋上に誘い込み、この状況に陥れた張本人だ。流風は、春夜の絶望に満ちた表情を見て、口元に薄い笑みを浮かべていた。その瞳は、まさに春夜を獲物と見定めた、冷酷な捕食者のそれだった。
そして、もう一人。
流風の隣に立つのは、まさしくこの部屋の主、龍崎だった。彼は、いつもの優等生の仮面を被り、春夜に向かって穏やかに微笑んだ。その笑顔は、つい先日、春夜に「謝罪」の言葉を述べ、干渉しないと約束した時のものと寸分違わない。だが、その瞳の奥には、春夜を再び手中に収めたことに対する、深い満足の色が宿っているのが見て取れた。
春夜の脳裏に、龍崎の言葉が蘇る。「あなたの秘密を墓場まで持っていく」「これからは一切干渉しない」。すべては、この瞬間のための、巧妙な罠だったのだと理解した。龍崎と流風、二人の支配者が、春夜の目の前に並び立つ。春夜の心は、絶望と、そして新たな支配への恐怖で満たされていった。
皆さん聞いてください!(๑>◡<๑)
な、なんと、”番犬くんと優等生”
10000♡超えました!!(≧∀≦)
みなさん本当にありがとうございます!
これからも皆さんの応援共に頑張って
いこうと思います!
ではまた次回!
next→♡1700
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