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うわああああ 、 大好きです 😭 奏斗の最後の言葉 、 ほんとに言いそうでもう感動です …… (?)
『最後に言い残すことは』
その言葉にやっぱりか、と僕は事態を察する。つまりはここで甚振られ殺されるのだろう。頭の片隅でそういう思考はあったがそれだけは違ってほしいと願っていたんだけど。
(まぁ、僕の人生こんなモンか)
ただで殺されてやる道理はないけどさ、と最後に挑発的に笑みを浮かべる。
「殺される――の前にさ、どうして俺なのさ?」
無差別ならそれは人としてどうなの、と強気に放った一言。ドカッ、と鈍い音と共に頬に衝撃を受けた。痺れる様に頬がじんじん、と熱い。
(あー、殴られたんだ…、…こりゃ帰れそうにないや。)
地面に顔をつけぼけーっと考える
甚振られて最後は海に投げられてしまうんだろうか、なんて自分の最期を想像しては仲間の忠告を思い出す。何回も行くなって言われてた、行かなきゃ良かった――なんて、今更後悔しても、と苦笑いを浮かべ心の中で仲間たちに謝りながらもそっと目を瞑った。
ーーー
ゆっくり目を開け生きていることを確認する、とりあえずと立ちぐるりと辺りを見渡すとそこは普通の部屋の一室で…目の前に自分のことを殴った男がいた、生きていることと男が目の前にいることに驚き固まってしまった、あいつら3人を呼ぼうと思えば呼べる、でも迷惑をかけたくなかったから…僕は。
ーーー
「さっきの挑発といい――気に入った。」
ーー俺の物になれ、音もなく距離を縮められ言われた悍ましい言葉にぶるりと身を震わせた。誰がアンタのものになってやるか、と悪態をついた所でこの男は聞いちゃくれない。
(あぁ、もう…くそっ)
呑まれないつもりであったのにずっと話している内にいつの間にかこの男のペースに乗せられてしまっている。じり、と後ろに下がるも気づいた時には既に遅く、しっかりと正面から抱きしめられた。気持ち悪いと振りほどこうにもこの男にどれほどの力があるのかビクともしなかった。
「俺は男には興味ないから諦めて女の子探してきなよ」
せめてもの抵抗にも彼は動じる事なく――逆に更に面白いといったように笑いこっちを見下ろしてくる
『手に入らないモノ程欲しくなる』
ぐっと腕に力が込められれば密着していた距離がさらに縮まり、ゴツン、と乱暴に額が合わせられる。唇が、吐息が互いに触れそうな距離。
(気持ち悪……、どうやって…逃げ…)
なんて考えたのが悪かったのか――考えなくても結果が同じであったのか。隙ができてしまったのは確か。
彼はその隙を見逃すハズもなく僕の腰に回した腕を後頭部へと回し固定してから噛みつくように唇を重ねた
「はっ…、ちょ、っ」
突然の事に抵抗しようと口を開ければぬるり、とした舌が待ち構えてた様に言葉ごと抑え込まれる。咥内を這う舌に逃れようにも押さえつけられている抵抗する術はない。そんな状況をいいことに好き勝手に咥内を荒らされる。
「んっ、ふ…ぅっ、」
鼻を抜ける様に吐き出される吐息が甘く、嫌悪と羞恥に自然と視界が薄く霞んでくる。ぼんやりと持っていかれそうになる意識をなんとか呼び戻し今起きていることに意識を集中させた
(気持ち悪い、きもちわるい…っ、)
「ゃ…っんんっ、」
舌が深く絡まった瞬間――その舌に歯を立て――ようとしたがするり、と彼は漸く唇を離し「全く、油断も隙もねぇな」と小さく呟いては悔しそうに眉を顰める僕を見つめにっこりと笑みを浮かべた。
「奏斗、あいつ…1人で行ったわけじやわねぇよな?」
「……雲雀、一回落ち着いて」
「…そう、ですよ…」
さっきから辺りをぐるぐる何回も回っているたらい、と落ち着けと言っときながらも貧乏揺すりが止まらないセラ夫。
お前らが焦っててどうするんだ、と言ってやりたい所だが私も相当焦っている、あの馬鹿な奏斗のことだ、きっと助けて…なんて私達のことを呼ばないだろう。
「どーすんの、殺す?奏斗に触った奴は殺す、絶対殺してやる」
「…うん、殺す」
わぁ…すごい話になってる、なんて話し声を聴きながらどうするか考えることにした。
ーーー
…まだ、殺されてた方がましだった、
『仲間と自分、どっちをとる』
って言われたら仲間に決まってる、絶対相手だって分かってる、だからこの質問をしたのに違いない。
「…はぁ…今日からここが僕の部屋、か…もうあいつらにも会えないとか…わらえな」
ご丁寧に部屋はもう既に用意されていてぼけーっとベッドに寝っ転がり天井を見上げる、あいつのモノになったってことになるのかな…気持ち悪い、やだな…
「……た…す…けて…」
呟いた言葉は僕だけにしか聞こえていないだろう、もう今日は寝て…
「やっとかよー、奏斗…助けに来たぞ?」
「ガラス飛んでくから伏せといて」
「お前らぁ、はーっ…は…速い…ちょっとは…私のこと考えて…ゆっくり…走れよ…」
驚かせる暇もないのかすぐに、がしゃん、とでかい音がしてぎゅっと目を瞑って伏せた、音のした方を見ると部屋の窓ガラスが割れてて…3人がいて…いつも通りの顔でただ僕を見据えて微笑んでいた
「帰んぞ」ただそれだけ、迎えに来てくれたんだ…その事実が嬉しくってぶわっと目の前が霞んだ、…だけど
「帰って…ここから消えて、僕の前から。」
嬉しさとは裏腹に酷い言葉を3人に降り注ぐ、ごめんね、帰れそうにない、いや帰れないんだ