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ハッと目が覚める。
ここはどこだろうか。
見渡す限り綺麗な海にいる。
夢か?
これまでの記憶がない。何も思い出せない。
???「大丈夫ですか⁉︎」
誰だ?誰の声だろう。聞き覚えはあるが何か思い出せないような気がする。
目も開けられない。後頭部が痛い。
意識が遠のいていく。
「ん…」
そっと起き上がる
周りには10人ほどが私を囲っていた。
???「は〜よかった」
馴れ馴れしく話しかけてくる。誰なのか見当もつかない。
「あの….」
気づいていなかった。
???「え?」
しばらく沈黙が続いた。
1人が口を開く。
???「とりあえず、救急車を呼ばないと」
すぐ救急車は来た。
それからも色々とあったりしたが、何も思い出すことはできなかった。
医者からは、一言
「記憶喪失です」
と。
真っ先に来たのは、申し訳なさだった。
あの時私を囲ってくれていた人たち。
きっと、私の友達だったのだろう。
そんな大切な人たちに向かって、失礼なことを言い放ってしまった。
その後、白髪の人に携帯を渡された。どうやら私が使っていたものらしい。
調べてみると、こんなニュースがあった。
「女性2人が男性2人に後頭部をコンクリートで殴られる事件が発生」
私は、この事件の被害者なのだろうか。
だとしたら、私の近くにいたもう1人の被害者はどうなっていたのか。
何も考えられない。頭が真っ白だ
私は一体、誰だったのだろう。
しばらくして、病室に50前後の男性が入ってきた。誰だろう。
???「何も覚えてないのか….」
親戚だろうか、
「あの…えっと…」
???「突然ですが、私、あなたの父親です。」
父親、だったらしい
「何も覚えてなくて、すみません。」
父親「ここに花束置いておきますので…」
そうして去ってしまった。
私はどうすれば良いのだろうか。
見た限りは高校生あたりだろう。
記憶を失った高校生なんか行き場もないだろう。それを医者も知っていたのか、もう少し入院させてくれるようにしてくれた。
記憶復元は極めて難しく、下手したら残っているかもしれない全ての記憶が消えてしますかもしれないという。
とても難しい問題が出てきた。
目が覚めておよそ五日経った頃、携帯を届けてくれた白髪の人が見舞いに来てくれた。
白髪「どうも、私は…みぞれと言います」
「あ、はい…」
「携帯、ありがとうございました。」
みぞれ「覚えててくれてたんですね。」
「色々と聞きたいことがあるんですけど…まず、私は誰なんでしょう。」
みぞれ「やっぱり…ですよね。まず…」
みぞれさんは丁寧に私の名前、年齢、誕生日まで教えてくれた。
それにみぞれさんは色々と思い出を語ってくれた。
私は色々と無茶をして暮らしていたようだった。
その怪我で入院し、退院してからみぞれさんの友達と海に出かけ、事件にあったらしい。
どんでもない間抜けだ。
周りに気を配れていなかったようだった。
「ありがとうございました。」
みぞれ「いえ、またきます!」
「いつでもきてください」
みぞれさんは帰ったらしい。
気がついた。
自分の手に、水の塊が浮いていることに。