一滴の滴と共に。

なぜ私の手の上に水が…

考える暇もない。その水は私の手に落ちた。

ボロボロと涙がこぼれ落ちていく。

迷惑がかかった。いろんな人に。

友人、家族、医療の人たち、、、

考えているうちに涙が溢れてきてしまっていた。

少し経って、医者が部屋に入ってきた。

そこで、手術を受けることはできるが、治療費はかなり高いことや失敗した時には忘れてしまった記憶全てが消えてしまうかもというリスクがあると聞いた。

手術は受けたくない、

幸いあと１ヶ月ほど夏休みがある。

どうにかして記憶を取り戻したい。

色々と携帯をいじっていて気がついた。

いろんな人とラインが繋がっていた。

電話をかけるのも面倒だし、相手も嫌だろうからかけないでおこう。

ラインでみぞれさんに思い切って出かけないかと誘ってみた。

返信は早く、いいですよとのことだった。

もう病院から出てもいいとの許可が出たので、自分の家に帰ってきた。

なぜか覚えていた。？となった。

インターホンを押すと開けてもらえた。

前に見舞いに来てくれた人だった。

部屋で支度をし、約束の日まで色々と自分の部屋をいじってみることにした。

驚くことに、財布には10万近く入っていた。父さんに聞くと、自分でバイトして稼いだらしい。

(; . ;)