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「凌、明後日の夜ご飯何がいい?」
「明後日?」
「誕生日でしょ」
そういえば、そうだった。
「んー、すき焼き食べたい」
私がそう言うと、お母さんは笑顔でわかった、と言った。
「ごちそうさま」
部屋に戻り、スマホを開いた。 LINEを開いたままだった。
『大丈夫か』
既読もつけず置いたままだ。
一緒に水族館へ行ったときの写真を見返した。
かっこいい。
やっぱり、萩原はかっこいいよ。
私より少し高い背。細いけどしっかりした手。少し低い、あたたかい声。月みたいに綺麗で優しい目。
全然笑わないし、愛想もない。
つかみどころがない。鈍感で、わかりづらい。
でも、ふとした時に優しくて、絶対に突き放したり、放ったらかしにしたりしない。
しっかりしろよ。
好きな人がとられるかもしれないのに。
こんな危機のときに、ベッドでごろごろしてる場合じゃないだろ。
こんなに好きなのに、
どうしても自信がない。