テラーノベル
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※微闇
ご本人様には関係ありません。
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『名前のない夜』
———ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー君がいなくなった部屋は
思ったより静かで
思ったより 僕を責めてきた
歯ブラシが二本あった場所
もう一方だけが
なぜか綺麗なまま残ってる
「またね」って言葉を
信じすぎたせいで
さよならの準備が
最後までできなかった
忙しいふりをして
平気な顔を覚えて
君の名前を呼ばない練習だけ
上手くなっていく
幸せだった記憶ほど
どうしてこんなに
遅れて追いかけてくるんだろう
夜になるたび
君の声に似た沈黙が
胸の奥で 息をする
愛してた理由は
今もちゃんと残ってるのに
愛されてた証拠だけ
どこにも見つからない
間違えた言葉
飲み込んだ本音
あのときの「大丈夫」が
一番の嘘だった
君が選ばなかった未来に
僕だけが立ち尽くして
行き先のない感情を
靴底で踏みしめてる
誰かの腕の中で
君が笑ってる想像を
打ち消すほど
僕は強くなれなかった
写真を消せば
終わると思ってた
でも消えたのは
画面だけだった
思い出は
削除できない仕様らしい
君が好きだった音楽も
嫌いだったコーヒーも
全部 僕の中に
住み着いたままで
追い出し方を
誰も教えてくれない
もしもあの日
引き止めていたら
もしもあの日
正直だったら
意味のない仮定だけが
夜を長くする
君を失った理由を
探すほど
自分が嫌いになっていく
それでも
嫌いになりきれない君が
まだ ここにいる
もう会えないと
分かっているのに
会いたくないとは
一度も思えない
優しさのつもりで
手を離したこと
正しさのつもりで
背中を向けたこと
全部 全部
今になって痛い
朝が来れば
少しは薄れると
何度も聞かされたけど
朝はただ
現実を連れてくるだけだった
君のいない一日は
慣れるものじゃなくて
耐えるものなんだと
最近 知った
それでも
歩いていくしかなくて
笑うしかなくて
君のいない世界で
君を愛した自分と
一緒に生きていく
名前をつけられない感情を
胸の奥にしまったまま
今日も 眠れない夜を
やり過ごす
涼架、君を愛していた。君に愛されていた。
君がいなくなったあとも
世界は続いていて
それが 一番残酷だった
久しぶりに作品かいたな、
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#ryop