ktysid
それは突然だった
まぜちに仕事が入ってしまい一人で遊園地に行った帰り
まぜちやメンバーのお土産を持って歩いていた
‘キャー!’
誰かが悲鳴をあげる
‘そこの君!危ない!?’
『え…』
ドン
目の前が真っ暗になった
何が起きたの?
体の感覚がない
何も感じない
目を開ければ血が流れていた
体温が下がっていくのが分かる
あ…これ死ぬんだ
そう気づいた瞬間走馬灯が走る
生まれてきた日
鼻にどんぐり詰めとき
いたずらして校長室に親を呼ばれたとき
高校生の文化祭でギター&ボーカルを務めたとき
すとぷりに入ったとき
アニマルージュの活動を始めたとき
AMP×TAKの活動を初めたとき
初めてのライブ
みんなで飲みに行った日
《けちゃ、》
これは…
《好き、付き合ってください》
あぁ…まぜちに告白されたときか…
あの時ほど幸せな日はなかった
最期に…会いたかったな…
『まぜ…ち…』
そのまま僕は暗闇に堕ちて行った…
『ッは』
気づけば家だった
なんで…僕…死んで…
『まぜち…』
壁に手をつけば通り抜ける
『ッあ…』
僕…本当に死んだんだ
『まぜちッまぜちッ』
彼を探す、会いたい、ただそれだけで
でもリビングにも彼の部屋にも居なかった
『どこ…どこにいるの…』
最後に僕の部屋に入った
『ッ!』
目に入ったのは天井にぶら下がったネクタイとそれの前にいるまぜちだった
『ダメッ!』
叫んでもまぜちは反応しない
ネクタイを首に掛ける
ダメッダメッダメッダメ!
『まぜち!』
“…”
まぜちは手を止めた
“こんなこと…お前は望まねぇよな…”
ネクタイを外し、台に崩れ落ちる
“けちゃッけちゃッ”
『まぜち…』
僕はここに居る、なんて声をかけれたらどれだけ良かったか
まぜちに触れられない
慰められない
『ッ(((ポロポロ』
まぜちの方が苦しいはずなのに、涙が出る
幽霊に涙なんかあるのか分かんない
ただ、まぜちの力になれないのが悔しかった
あれから数日が経った
“けちゃ…俺頑張るから…”
“見ててくれよ”
まぜちは、前を向いた
それが嬉しかった
それと同時に僕の体から泡がでて、消えていく
あぁ、お別れなんだ
最後に、まぜちに抱きついた
『がんばれ、まぜち』
名前を呼んだ
最後だけはまぜちに触れられた気がした
これから彼が幸せに行けていれるよう祈りを込めて
コメント
2件
感動‥‥‥(TдT)
最高でした!泣ける、続き待ってます!!