コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
これはとある男の目覚めから始まる。
山にあるひっそりとした場所に、その男の家はある。しかも豪邸だ。
豪邸内の一室に、その男…この方物語の主人公である影潜忍(かげひそ しのぶ)は契約している黄龍に抱かれてグッスリ眠っていた。
忍「ふあぁ…まだ眠い…」
長い髪を梳かしながら目覚めた忍は、眠たげな目を擦りながら洗面所へと向かう。洗面所ではぱしゃぱしゃと水音が響き、どうにか忍は目を覚ました。
黄龍「忍、身体の調子は問題ないか?」
忍「あぁ、問題ねぇぞ。」
黄龍「それは良かった。早速だが朝膳(※朝食のこと)を作って欲しいぞ、忍」
忍「おめぇなぁ…」
何気ない会話と共に、上部…つまり、忍が所属している人外狩り組織との通信に使う片眼鏡型ゴーグルを着ける。今朝も何かしらの指示が下っていると思い、適当に通知の確認をしていた。
そのついでに忍は黄龍を待たせる訳にも行かなかったため、朝食を作ることにした。
忍「今日はコイツでいいか…焼けば問題ないし。」
彼は適当に冷蔵庫から野菜だ肉だ食えるものを取り出す。そして食べやすい大きさに切ってフライパンにぶち込んだ。忍は黄龍がほぼ何でも食うことを知っていた為、昨晩のおかずの残りでも何でも、忍がつくった物となれば喜んで食ってしまうのだから。
黄龍「忍〜…まだか〜?」
黄龍が飯を待つ子供のようにもう食器と箸を持って待っている。
忍「分かった分かった…そう急かすんじゃねぇっつーの!」
野菜炒めは出来たので、後はトースターでパンを焼き、野菜炒めをサンドしてしまえば完成だ。
黄龍「ふおぉ…我、ぱんも好きだから嬉しいぞ…」
忍「ほら、とっとと食うぞ。」
いただきます。と二人の声が響き、サンドイッチを食べる…が、
黄龍「意外と…分厚い物だな。(※何故か箸でサンドイッチ食ってる)」
忍「お前パンの食い方いっつも箸じゃねーかよ!?」
黄龍の食べ方に忍は困惑したものの、まぁいいかと食べ続けた。
数分後には食べ終わり、お互いに満足した。
忍「黄龍、俺着替えてくる。今日は任務入ってっから。」
黄龍「忍、我が手伝っても良いか?」忍「一人で着れるから大丈夫だぞ」黄龍「ぬぅ…」
そして、クローゼットルームに入った忍はいつものスーツに着替え始めた。
スパイ映画を思わせる様な紺色のスーツに、愛用の二丁拳銃。常備しているポーチには弾丸を。
装備に着替え終えた忍はクローゼットルームから出て、片眼鏡型ゴーグルから上部に準備完了の信号を送る。上部から了解を示すメッセージが来れば、すぐに玄関へ向かった。
黄龍「忍、危険になったら我がすぐに助けに行くぞ。」
忍「あぁ、そこん所は頼んだぜ…黄龍。」
迎えの車が来た。忍を任務の場所へと連れて行ってくれる特殊仕様の送迎車だ。
忍はすぐ送迎車に乗り、任務場所へと直行する…
だが、彼はまだ知らなかった。この先に起きる事が、破嵐万丈の物語の幕開けになる事を…
─朝の巻・終─
─次・昼の巻(玄爾視点プロローグ)─