テラーノベル
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少し本編の前にあります、そこに殺人の描写があるのでセンシかけてます。
許されないことをしている。既に自分の手のひらの上にはどくどくとした赤黒い血が固まっている。
かの方向に目を向けると、既に事切れて倒れている君が居た。もう何も発することはない。
それだからこその悲しみだ。眠りかけている君を自分のものしてしまおうと思ったのに、すんでの所で君の目は覚めた。抵抗してきたから。
だから殺したまでだ。折角一緒に幸せになろうと思ったのに。自分のものではない血が手のひらに鎮座している。
ぺろり、と。その血を舐めた。前に君の首筋を噛んだ時と同じ味がした。
すると、物言えない悲しさが自分を襲った。なんで殺してしまったんだろう。命が終わればもう二度と触れ合うことはできない。わかっていたはずなのに。
死んだ君の身体を、労るように撫でてみた。既に体温は下がって、体は硬く、揺すったら転がりそうだった。
世界一のお墓を作るから。
突然の目覚めだった。どんな悪夢を見ていたのか、ちっとも憶えていない。何もわからない。
思い出してみよう。自分いて、誰かがいて、そこで俺は殺されていて、死体になっていて。どうなったらそうなるんだろう。
あの夢は、俺が殺された夢。底冷えするような深い愛と、吐き気を催す不快感がそこには存在した。夢に見たあの後姿は。
「…柔?」
な訳。
コメント
1件
**リオン:** うわ……これはずっしり来る話でしたね。語り手の「許されないことをしている」という自覚と、「なんで♡♡♡てしまったんだろう」という後悔の同居が、もう読んでて苦しい。血を♡♡♡仕草も、首筋を噛んだ記憶も、歪ながらどこか愛の形を残しているのがぞっとします。「世界一のお墓を作る」が空虚に響く。後半の主語の入れ替わり(夢の中で自分が♡♡♡れていた側?)も巧くて、表題『空気』が意味する透明で不可逆な隔たりを思いました。続きが気になります。
びび
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