「おーい、恒信!おーきーろ!!」
教室中に轟く俺の名前。
それと共に響く皆の笑い声 ・・・あ俺か
決して寝ていた訳では無い。。只目を瞑って伏せていただけ。
「なんだ大きい声出して?まあ丁度いいか。問3、答えてみろ」
「えーっと、、、ーーです。」
「よし正解だ座っていいぞ」
「うす」
まあ答えられたのは山田のおかげだけど。
山田は俺と同じ18歳。ピチピチの男子高校生だ。山田がこっそり答えを見せてきた。問題出されるとは思っていなかった、ごめん などと言わんばかりにこちらを向き両手を合わせて合図を送ってくる。今のでチャラな
12月24日、もうすぐ今年も終わろうとしていてお隣なんか居ない。でもこんななんてない日常。多分俺より平和的な過ごし方をしてる奴はそうそういないだろう。
が、そうとも言ってられない状況下にもある。 俺は2年前から訳ありで金欲しさから反社会組織でちょこっとしたバイトをしている。
初めは恐ろしながらに上の人達の指示に従って○体などの処理をしていた。要するに雑用かな
でも今は何故かカシラからの評判を買っていたらしく正社員という肩書きにされ、商談の対話役などを任されている。
俺的には給料アップでとてもありがたい話だから別にいいんだけど、言ってしまえば悪事を働く側だから拳銃なんて珍しい話では無い世界だ。
、、?あれ? 考えてみると結構危険じゃね?全然平和的じゃないな。よし、前言撤回だ。
たしか今日カシラに呼び出しを食らっていた。 嫌なんだよあれ
今朝急用が入ったらしく20時に基地に来るよう連絡が来てた。正直あそこに行くのは嫌いだ。だって全く現実味がないのだ
足元には血痕の数々、どこからともなく聞こえる悲鳴、、、。数えだしたらキリがない
正直こんな環境になれてしまった自分が怖いが置いとこう。
基地は電車をふたつ乗ってようやく着く隣町にある。行くのも一苦労な距離だ鬼か?
俺がこの“一員”として生きる時間だけは俺は俺の頭部だけを獣の頭に変えて変声機も付けている。
プライバシーを守らなければ、ここまで名をあげると身近な人達が危険な目にあうとこもありかねないのでそれをカシラも認めてくれた。
ちなみにいらん情報かもだがこのふさふさの毛は髪の色によって毛の色も変わるという便利な仕組みだ。結構気にってる。
「こんな時間にどうした餓鬼」
「カシラに呼び出されたので。健二さんこそ門番担当今日でしたっけ」
「いやたけるが代わってくれってさ」
「大変っすね」
「まったくほんといい迷惑だ。後もっとあったけえ格好しろよおめえ最近冷えるからな」
「はい笑ありがとうございます。」
健二さんもカシラに気にいられた者達の1人。彼の個性は水などを操れるらしい。
肌黒で四角く薄暗いサングラスが特徴的なこの人は口は悪く少し大雑把な所はあるが内はとても優しく周りをよく見る人だ。仕事も完璧、俺にとっては頼りになる兄ちゃんみたいな存在かな。 まあ立場的には同じなんだけど3年くらい前からここにいるから先輩には敬語だ。
カシラとカシラに近い者達が出入りできる塔の入口でこうやって俺たちが毎晩交代で門番をしてるんだ。たった1人で襲われないか、と言われたりもするが伊達に組織やってる訳ではなくそんなんじゃ倒せるはずがない。頭のキレる者たちは近ずこうとはしないけどたまにいる馬鹿なヤツが捕まってることがあるのも目にする。その後は、、、言えないかな
中に入ると一段と内装が変化する。アスファルトひび割れ付きだった床が白黒ドットのシンプルなタイルに変わり、狭く曲がり角ばかりの廊下は広く長いものになるのだ。殺風景すぎて見ていてとてもつまらない。
コツコツという軽やかな足音とともに大きな扉の前に到着した。いわゆる校長室だ緊張がやばい。
コンコン「失礼します」
大きな扉を引開ける。この扉重いなあ肩が痛い 昨日の体育のバスケ久しぶりに超動いたから筋肉痛もあるかな
「きたか」
「お久しぶりです。俺に用というのは」
死柄木弔。若頭だ。
大きな手の模型?を体中に付けているのが特徴的なこの人の個性は触れたものを壊すことができるらしいさわられたくない
「お前世話はできるか」
「、あ、、え?世話ですか?黒霧さんはどうしました?」
「ちげーよ俺の世話じゃねえ」
「あれ」
「女の子だお前の二個下の」
「二個下の女の子、、ですか?」
カシラの口から女の子という言葉が出たことにまず驚きだ
「そうだ繰り返すなイライラする。一昨日あたりから自分を買ってくれと五月蝿いんだよ まあ個性が便利だから受け入れる事にした。歳も近いし話題のネタも合うだろう。お前が世話係になれ」
「、、、御意」
絶対服従。承知はしたもののパニクってる、俺が世話?しかも女の子?うそだろ?
「明日の18時にここに来ることになってるその時からお前は世話係だ」
「その少女の情報を頂けますか」
「歳は16 背は163cmでボブ髪。名前は柊楓」
は?
いやいや、本気で意味がわからない
俺は俺の耳を疑った
冷たい冷たい沈黙が漂った。目と目がかち合う。 俺はいまどんな顔をしているだろうか
「どうした」
「いえ、なにも」
「? 頼んだぞ」
「御意、」
扉を押しのけ外に出る。さっきよりも重たい気がする。部屋から出て初めて脳が状況の理解に取り組み始めた。
俺は彼女のことを知っていたいや知りすぎている柊さんは俺と同じ高校だ。2ヶ月前ほど前、肺も凍るような寒い日の放課後にマフラーをプレゼントしてくれた。ありがたながらに受け取ったが後々それが彼女なりの告白なのだろうと勘づいた。
勘づいてからはどう使えばいいのか分からずに勉強机の上に置きっぱなしだ。
その出来事がある前は別に興味なんかなかった。只係活動や委員会が重なっていたので俺なんかをすきになるきっかけとしてはそれくらいしかないのかなとも思う。
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