"光の世界は…"
初投稿です
ワンク
・武装探偵社は太宰さんの過去を知らない設定です(乱歩さんは確証ではなく予想としてという感じ)
・多分優しい武装探偵社が居ません(おい
・太宰さんが病みます(おい(2回目)
それでも大丈夫な方だけどうぞ
何処か哀しい声が聞こえる。
「……人を救う側になれ」
腕の中に誰かが横たわっている。
「……どちらも同じなら、佳い人間になれ」
地面の紅が拡がる。
「弱者を救い孤児を守れ」
泣きそうになるのを我慢する。
「正義も悪もお前には大差無いだろうが……」
明るい光が窓から差し込む。
「……その方が、幾分か素敵だ…」
堪らず訊ねた。
「……何故、分かる?」
人物の顔が見えた。
「……分かるさ、誰よりも分かる」
嗚呼………
?「俺は、お前の_______」
太宰「……ッ織田作ッッ!!」
………嗚呼、夢か……
太宰「……ッッ、はぁ……」
鳴り止まない耳鳴りと頭痛に顔をしかめる。
月明かりが全く無い真っ暗闇の中、手探りで見つけた携帯で時間を見た。
……午前2時。
太宰「………又、か…」
最近は何時も同じ夢を見る。
大きな声を出してしまったので、同じ寮に居る社員に聴こえていないと良いが。
……物音はしない。
安心して胸を撫で下ろし、ほっと息を吐く。
太宰「………織田作……」
暗闇の中で一人呟いた言葉は、誰にも受け止められる事なく消えていった。
結局あれから一睡も出来なかった。
……あの夢は一体何なのだろうか。
如何にも厭な予感がする。
太宰「……考え過ぎか、」
鏡の前に立って一人で苦笑いをする。
………夢を見る度に思い出す。
"彼"がもう、この世には居ないという事実を。
太宰「………ッッ」
…大丈夫、私は"光の世界"で生きていける。
"彼"の分まで人を救う。孤児を救う。
私なら出来る。
だって、私には"仲間"が____
?「仲間?」
太宰「ッッッッ?!」
…誰も居ない。
太宰「……気のせいか…」
…頭が酷く痛む。
前の鏡を見ると、酷い顔だった。
太宰「……いけない…」
無理矢理口角を上げ、笑顔を作る。
太宰「……よし!」
何時もの笑顔だ。
頬を軽く叩き、寮を出て探偵社に向かった。
太宰「グッドモ~~~ニング、諸君!!!!!」
勢い良く扉を開け、足を踏み入れる。
今は午前10時過ぎ。
既に大抵の社員が揃っていた。
定時ピッタリに出社していた国木田君が叫ぶ。
国木田「五月蠅い、この唐変木が!!!!!!」
国木田「2時間18分の遅刻だ、貴様は何時も俺の予定を悉く狂わせる…」
国木田君がぶつぶつと呟く。
敦「あはは…毎日懲りないですね…」
その横で苦笑いする敦君。
今日も探偵社は平和だ。
谷崎「そう云えば、今日は依頼が来てましたよね」
谷崎「もういらっしゃる筈なンですけど…」
与謝野「大事な依頼なのかい?」
敦「与謝野さん!」
賢治「"社員全員にお願いしたい"なんて珍しい依頼ですよね!」
敦「賢治くんも」
その時、扉を叩く音が聞こえた。
敦「依頼人の方でしょうか」
谷崎「嗚呼、ボクが行くよ」
谷崎君が扉を開け、依頼人に話し掛ける。
谷崎「こんにちは、依頼人の方ですね。今日はどンな依頼で…」
依頼人は全てを聞き終えない内に、手の平を此方に向けた。
乱歩「ッッ?!?!」
いきなり、黙っていた乱歩さんが鋭く叫んだ。
乱歩「不味い、罠だッッ!!!!」
探偵社「?!?!?!」
福沢「全員逃げろッッ!!!!」
依頼人?「………もう遅い」
太宰(……この声、何処かでッ……?!)
辺りが白い光に包まれた。
ここ迄読んで下さり有り難うございました
誤字・脱字等有りましたら教えて下さい
コメント
7件
天才ですね… 文才がありすぎですうう!!! 織田作の夢見てなんか苦しくなってる太宰さん尊い…!✨(この人は推しが苦しむのが性癖なんです)