地雷さんは回れ右
大丈夫な方はどうぞ
太宰(この声、何処かでッ…?!?!)
辺りが強い光に包まれた。
光が収まると、其処は探偵社では無い薄暗い空間だった。
太宰「……此処は、」
乱歩「どうやら何処かの地下牢の様だけど、…」
乱歩「厭、只の牢じゃ無い。異能空間か…自力で出るのは難しいだろうね」
敦「だ、太宰さん…乱歩さんも、」
敦「って異能空間?!じゃあ何で太宰さんまで……?!」
太宰「……」
如何やらその場に居た社員が全員連れて来られたらしい。
すると、乱歩さんが暗闇を指差して云った。
乱歩「……其処に居るんでしょ」
乱歩「依頼人さん」
格子の向こうから影が現れる。
依頼人?「…ふふ……流石は噂の名探偵、ここまで素早く情報を整理するとは」
与謝野「……態々こんな処に連れて来て、一体何が目的なンだい?」
依頼人?「おや、貴女は未だ判っていないのか」
与謝野「……何だって?」
依頼人?「…其処の名探偵と、私の目標人物は既に判って居る様だけど」
探偵社「?!?!」
敦「目標人物…?!」
谷崎「真逆……」
依頼人?「因みに君ではないよ、人虎君」
敦「えっ、」
谷崎「じゃあ一体誰が…?!」
太宰「……」
乱歩「……」
依頼人?「……今暴露してしまっても良いけれど、折角なら…」
暗闇の中で、此方に掌を見せる。
依頼人?「……私の異能は、"異能空間に収容された人間の過去を映し出す"異能だ」
依頼人?「生憎、収容された内の一人の過去しか見る事は出来ないが」
厭な含み笑いが聞こえる。
依頼人?「ふふ……それで十分だ」
依頼人?「……君は何時も自分を偽っているね。自身の過去さえも、誰にも見せようとはしない」
依頼人?「始め、私の目的は何か、と聞いたろう?……"復讐"だよ」
探偵社「?!?!」
太宰「………ッッッ」
太宰(矢張りそうだ、彼は私が昔中也と潰した組織の長ッッ…!!確かに殺した筈なのに、何故…ッッ?!)
乱歩「……」
乱歩(矢張り、太宰は…)
依頼人?「…それでは、復讐の始まりだ」
依頼人?「……存分に愉しんで呉れ給え、ふふ…」
辺りは再び強い光に包まれた。
「______!!」
「_________?!?!」
「_____!!!!」
……見馴れた景色。
飛び交う銃声と、死体の山。
敦「此処は……ッッ?!」
鏡花「……..誰かの過去」
鏡花「…つまり、過去に誰かが……」
この場に居た。
探偵社「ッッッ」
与謝野「……..それにしても、これは酷過ぎるねェ」
敦「…止めるしか…!!」
前に踏み出そうとする敦くん。
……私は、彼の肩に手を置いた。
太宰「無駄だよ、敦くん」
敦「太宰さん…?!何故ですかッ!!」
乱歩「……」
太宰「……彼の云ったことが本当なら、これは過去を映し出している只の映像だ。干渉することは出来ない」
太宰「…例えそうで無かったとしても、過去を変えることは出来ないよ」
敦「そ、そんな……」
……それにしても、此の状況は可成り不味い。
私は未だ、探偵社に自分の過去について話をして居ない。
私が"元ポートマフィア"だと知っても、探偵社は私を変わらず受け入れて呉れるのだろうか。
……私が元"人殺し"だと知ったら、皆はどんな反応をするだろうか。
私の予感は何時も当たる。
それも、厭な予感の時である程。
依頼人?「……ふふ、如何なるのか愉しみだ……」
近い内に続きを出します
誤字脱字等ありましたら教えて下さい
読んで頂きありがとうございました
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