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神門ver
「!四季君、似合ってるね」
閉まっていた扉が開いた音がした途端、神門の賞賛が聞こえる。純白のスーツを着た神門はセミロングを後ろで緩く纏めていて、端正な顔が一層目立つ。
「神門も最高に似合ってる!」
「ほんと!四季君に言われると照れるな…」
整った眉毛を少し下げながら笑い目を細める。
桃太郎も鬼も関係無い、誰もが平等に幸せを享受出来る。そんな四季が望んでその為に闘った世界が目の前にある。その世界を四季も生きてその身に感じている。
「神門…」
「ありがとな、俺多分1人じゃなんも出来なかった…」
今にも泣きそうな下げた眉で笑った四季。
何を…と反射的に言いそうになったけれど、きっと今欲しいのはこの本音じゃない。
「こちらこそありがとう、君と…四季君と一緒になれる世界を作ってくれて。」
こっちの本音の方だ、実際四季君は桃太郎と鬼の戦闘で最前線に立って幾度と対話に持ち込めるように血を流してきた。
どれだけ拒否されようと、否定されようと諦めなかった。
その強靭で柔軟な意思は桃太郎の凝り固まった…腐りきった常識を、偏見をぶち壊してくれた。
そのおかげで悲鳴も喘鳴も嗚咽も絶叫も、聞こえない。実験が行われることも、命が粗末に捨て去られることも無くなった。
練馬での一戦からの僕の願いは君の隣を歩くことになった。君は他でもない僕に殺されることを望んだ、僕が桃太郎と分かっていても友達でいようとしてくれた。
「だから、今もう一度ちゃんと言いたい。」
「?」
不思議そうな顔で見つめる四季を見て神門は過去を噛み締めるように今を味わうように幸せそうに笑った。
「僕と結婚してください」
「勿論!」
差し出した僕の手をしっかりと握って一等嬉しそうに四季君は笑った。
『あぁ、なんて幸せなことだろうか』
コメント
2件
d( ̄ཀ  ̄)
結婚だー!みかしき〜Love!