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# Mint’s contest

# ღ̤ぬぬღ̤こんてすと!


# 一次創作

# 青春恋愛













夏 、雪 が 降 っ た 。



バニラアイスより白い髪の毛 。

金箔より高値が付く金色の瞳 。


飾らない美しさ 。

あどけない仕草 。



天使 、

大層な言葉すら見合わないと想わせる雪は



夏 に だ け 降 る ら し い 。







一 章 : 色 褪 せ る 僕



短い人生を謳歌する蝉の声が

腹が立つ程 、鼓膜に入り込んでゆく季節 。



小さな扇風機と団扇で

なんとか意識を保っている放課後 、


どういう経緯かは知らないが

怪談 、そんな根拠も曖昧な話題が繰り出された 。


「 俺は口裂け女に会ったらプロポーズする!! 」


到底頭が良いとは思えない回答を繰り返す坊主の佐藤 。


「 口裂け女って 、ロン毛が好きらしいよ 笑 」


偽りを垂れ流す害悪女の山口 。


「 じゃあ俺モテモテだな 」


下品に舌を出すお団子の田中 。


「 羨ましい 、化け物には好かれて 」


皮肉混じった戯言を吐く短髪の僕 。


お世辞にも良いとは言えない優遇で

放置され濁ったプールを窓から眺める 。


オタマジャクシが一生懸命動いてる姿を観察するのは

僕の日課となりつつある 。


でも 、ここに居ては雑音が多すぎるな 。


「 んだよ 、化け物 “ には ” って 」


「 言葉通りの意味だけど 」


見ての通り 、決して仲は良くない 。

所詮 、余り者の集まりでしか無いのだ 。


学生生活を馴染めなかった者達が

放課後 、余った教室で戯言を吐くだけの集まり 。



居場所が欲しい 。


そんな緩い理由で此処に来る僕も

馬鹿にしている彼達とそんなに違わない 。


「 お前らさ 、怪談の話してんだから喧嘩すんなよ 」


仲介役の佐藤によって

拳を握り締める田中と僕の関係は一時的に中和された 。


「 で!!!俺が話したかったのは 」


「 山のてっぺんにデカイ廃家あるだろ?其処に白い霊が出るんだって!! 」


白い霊 。

ホラー映画では其れが馬鹿みたいに出てくる 。


それと同じく

その怪談も馬鹿が吐き捨てた嘘だろう 。


「 それで今日の20時に皆で行かね!!? 」


「 却下 」


最初にそう言ったのは

紛れも無い 、僕だ 。


「 根拠の無い事に体力を使いたくないし 、僕は暗いのが嫌いなんだ 。行くなら “ 皆 ” から除外してくれ 」


不満の声が聞こえてくる 。

でも 、僕迄行く必要は無いだろう 。


廃家なんて 、冗談や絶叫系が好きな人間が

面白半分で行く場所だ 。


僕との相性は最悪 。


「 えーなんで?案外行ったら楽しいかもよ?てか 、お前の事除外するくらいなら中止にする 」


佐藤の言葉に黙って頷く山口と田中 。


田中は僕が嫌いだろうが 。


「 皆も同じ気持ちみたいだし 、中止にする? 」


「 なんで僕に聞く 」


僕は仲間意識みたいなのが嫌いだけど

僕の事を尊重してくれる人が笑ってないのはもっと嫌いだ 。




「 .. わかった 」


「 僕も行く 。だから中止は無しだ 」


彼らが望んだであろう言葉を発せば 、

ぱあっと空気が豊かになった 。


僕はなんだかんだこれを

望んでいたのかもしれない 。








n e x t ↪︎ ♡ 1 0 0 0



👋

雪は 溶けて 消え逝くもの 。

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コメント

48

ユーザー

初コメ失礼します 口角上がりっぱでした最高です

ユーザー

瀬戸様好きです もう最初ら辺から口角ずっと 上がってるし、一つ一つの言葉が 3度見しちゃうくらい 凄くてもう大好きすぎる🤦🏻‍♀️💕

ユーザー

青春恋愛も神作書けるとかさすがっす先輩🫡💘 「 仲間意識は嫌いだけど、自分を尊重してくれる人が笑ってないのは嫌い 」 いやあぁ、これめちゃくちゃ刺さった 🥲 仲間だからって理由でなんでも合わせないといけないのは嫌だけど、自分に目を向けてくれている人が 自分が合わせないせいで笑ってないのって物凄い嫌だよね … 瀬戸ちゃんの物語はほんとに一つ一つの文章が丁寧に作られてるなって改めて思った 🫰🏻💞

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