地雷さんはさよなら
黒『りうら~』
と声をかけてくる彼
誰に対しても何かと距離が近い彼は
スマホを触って暇そうにしてる俺に
優しい笑顔で話しかけてくる
髪が邪魔なのか、長い髪を耳にかける仕草は誰がどう見ても儚く綺麗だ
黒『今度さ、2人で歌枠やろうや』
赤「ん、いいよ」
赤「今度一緒にやろ」
黒『ほんま?ありがと!!』
そのキラキラした笑顔がりうらだけのものならいいのに
俺はあにきの事が大好きだ
でもきっとあにきは違う
最年少でまだまだ子供のりうら
それに対し、最年長で頼りになるあにき
立つ土俵が違う
きっとこの先もずっと片思いのまま
この恋を終えると思っていた
あの時までは…
服を見ようと思って1人で買い物に言った帰りだった
たまたま、家に帰る途中にある人気のない路地裏で
男性2人が言い合いをしているのを見てしまった
会話をよく聞いてみると
黒『やめてください!』
「いいじゃん、気に入ったから抱かせてよ」
黒『いやです!離して!』
「チッ うるせぇよ、騒ぐな」
聞き慣れた声
見慣れた顔、姿
助けなければと咄嗟に思った
黒『離して!』
「いいから黙って着いてこい」
黒『やだ!』
「黙れ!!」
赤「離してください」
黒『へ、りう…ら…?』
「あ?なんだ、おまえ!?」
赤「こいつ、俺のなんですけど」
「チッ なんだよ 彼氏持ちかよ」
と言い捨て、乱暴に手を振りほどいた
赤「あにき!大丈夫だった?」
黒『りうら……』
ポロポロ ポロポロ
黒『こわ…かった………もうみんなに会えなくなっちゃうと思った…』
そう言いながら泣き出してしまう彼
赤「よしよし、怖かったね」
彼が落ち着くまでずっと頭を撫で続けた
少し落ち着いた時
彼が言った
黒『なぁ、りうら』
赤「ん?」
黒『俺のこと、愛してや」
聞き間違いじゃない
間違いなく彼はそう言った
赤「え、それってどうゆう…」
ちゅ
黒『そのまんまの意味』
黒『りうらの事がすきです』
静かな場所で響いた1つのリップ音
気づけば俺はずっと大好きだった最愛の人に告白されていた
それなら答えは1つ
赤「俺もあにきの事が好きだよ」
赤「俺と付き合ってください」
あぁやっと言えた
叶わない恋のまま終わると思っていた恋は
甘い香りに包まれた
年齢なんて関係ない
俺と君の秘密の恋愛
〈最年少と最年長〉
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