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#ちょい死ネタ
綾音
12
𝚈𝚄𝙼𝙴𝙽𝙾
158
317
アウラウラ
519
翌朝。
「……眠い」
玲は眠そうに目をこすりながら、羅刹学園の廊下を歩いていた。
昨日聞かされた「鬼の血」という言葉が、頭から離れない。
自分が鬼。
そんなことを言われても、実感なんて湧くはずがなかった。
「玲ー!」
聞き慣れた声が後ろから響く。
嫌な予感がした。
振り返ると、四季が全力で走ってくる。
「おはよ!」
「……朝からうるさい」
「なんだよ、冷た!」
「昨日会ったばっかりなのに、なんでそんな馴れ馴れしいんだよ」
「友達だから!」
「だから、いつ友達になったんだよ」
四季は笑いながら玲の肩に腕を回す。
「細かいこと気にすんなって」
「……離せ」
「嫌だ」
「子供かよ」
「お前も子供だろ」
「……」
玲は無言で四季の腕を払い落とした。
「痛っ!」
「自業自得」
「玲、意外と冷たいな」
「四季がうるさいだけ」
そんなやり取りをしながら教室へ向かう。
昨日までなら、こんな相手と一緒に歩くことなんて考えられなかった。
なのに。
不思議と、昨日より少しだけ気が楽だった。
――そして。
「今日は血蝕解放の基礎訓練を行う」
教師の言葉に、教室の空気が変わった。
玲は静かに顔を上げる。
「黒瀬。お前も参加しろ」
「……俺も?」
「ああ。昨日説明した通り、お前には鬼の血が流れている。まずは自分の力を知る必要がある」
玲は小さく息を吐いた。
「分かりました」
訓練場へ移動すると、全員がそれぞれ準備を始める。
玲も構える。
すると隣に四季が立った。
「玲、一緒にやろうぜ」
「なんで?」
「面白そうだから」
「理由が雑すぎる」
「いいじゃん!」
「……勝手にしろ」
教師が告げる。
「二人一組になれ。互いの力を確認しろ」
玲と四季は顔を見合わせた。
「……まさか」
「俺たちだな!」
四季が嬉しそうに笑う。
玲は嫌な予感しかしなかった。
「手加減すんなよ、玲!」
「そっちこそ」
合図と同時に、四季が飛び出す。
「速っ……!」
玲は咄嗟に横へ避けた。
拳が目の前を通り過ぎる。
「おい! 本気で殴るな!」
「訓練だぞ?」
「だからって!」
「じゃあ反撃してみろよ!」
四季が再び距離を詰める。
玲は拳を受け流し、そのまま四季の腕を掴んだ。
「なっ……!」
「今度はこっち」
玲が足を払う。
四季がバランスを崩した。
「うわっ!」
そのまま地面に倒れる。
「……勝った」
「お前……!」
四季が起き上がる。
その顔には、怒りではなく楽しそうな笑みが浮かんでいた。
「やっぱ面白ぇな、お前!」
「……何が?」
「もっとやろうぜ!」
「もういいだろ」
「まだ始まったばっかじゃん!」
「俺は疲れた」
「俺は全然疲れてねぇ!」
「知らないよ」
二人の言い合いに、周囲から笑い声が起こる。
しかし――。
その瞬間。
玲の右腕に、突然痛みが走った。
「……っ!」
玲は腕を押さえる。
血管の奥から、何かが蠢いているような感覚。
「玲?」
四季の表情が変わる。
「どうした?」
「……なんでもない」
「嘘つけ」
「本当に――」
言いかけた瞬間。
玲の指先から、黒い血が一滴落ちた。
「……え?」
空気が変わる。
教師が鋭い声を上げた。
「全員、下がれ!」
玲は自分の手を見る。
黒い血。
それを見た瞬間、身体が勝手に動いた。
「う、あ……!」
力が溢れ出す。
止めようとしても止まらない。
「玲!」
四季が駆け寄る。
「来るな!」
「嫌だ!」
「危ない!」
「だからって放っておけるかよ!」
四季が玲の腕を掴む。
その瞬間。
玲の中で暴れていた力が、一気に静まった。
「……え?」
玲が顔を上げる。
四季は苦しそうな顔をしながら、それでも腕を離さなかった。
「……大丈夫か?」
「……うん」
「ならよかった」
四季は笑った。
「次からは、ちゃんと俺が止めてやる」
「……なんで」
「友達だから」
「……またそれ?」
「またそれ!」
玲は思わず小さく笑った。
最悪な出会いだった。
性格も合わない。
うるさいし、馴れ馴れしい。
それでも――。
玲は少しだけ思った。
こいつが隣にいるなら。
自分の中にある、この力とも向き合えるかもしれない。
そんな気がした。
コメント
9件
初コメ&フォロしつです! フォロバありがとうございますッッ!!作品好みですッッ💕仲良くしてください!
え〜〜〜第3話読んだよ!!🌸 もうね、四季くんの「友達だから!」連発がさ…最初はウザそうにしてた玲くんが最後に「こいつなら向き合えるかも」って思っちゃうとこ、最高すぎん??🥺💕 黒い血のシーンもドキドキしたし、暴走しかけた力を四季が止めて「ちゃんと俺が止めてやる」って言うとこ、推せる…!! 2人の距離がちょっとずつ縮まってくのがエモい〜〜✨ 続き気になるよ!🐰💖