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放課後の屋上は、いつもより少しだけ賑やかだった。
莉犬「ねえ、今日の配信さ、いつもと違うことやらない?」
莉犬がフェンスにもたれながら、いたずらっぽく笑う。
るぅと「また急だなぁ…でも、そういうの嫌いじゃないですけどね」
るぅとがノートを閉じて、静かに微笑む。
その隣では、ころんがスマホをいじりながら大げさにため息をついた。
ころん「絶対また無茶振りでしょ〜?この前みたい に罰ゲームとかやめてよね?」
さとみ「えー、面白かったじゃん!」
さとみが笑いながら肩をすくめると、ジェルがすかさず口を挟む。
ジェル「ほな今日は“学校の七不思議”検証配信とかどう?この屋上、なんか出そうやし!」
ころん「やめてってば!!」
ころんの叫びが夕焼けに溶けていく。
そんなやりとりを少し離れたところから見ていたななもり。は、優しく目を細めた。
ななもり「みんな、本当に仲いいよね」
その一言に、ふと空気が変わる。
風が強く吹いて、屋上のドアがギィ、と音を立てた。
るぅと「……今の、誰か開けましたか?」
るぅとが小さく呟く。
全員の視線が、ゆっくりとドアに集まる。
——その瞬間。
世界が、わずかに“歪んだ”。
莉犬「……え?」
莉犬の足元に、見たことのない光の紋様が広がっていく。
赤、青、黄色、ピンク、オレンジ、紫。
まるでそれぞれの“色”が呼応するみたいに、全員の周りに光が浮かび上がった。
ころん「ちょ、これ配信ネタとかじゃないよね!?」
ころんが半泣きで叫ぶ。
さとみ「いや、さすがに仕込みしてないって…!」
さとみも焦った声を出す。
次の瞬間、視界が白く弾けた。
——気づくと、そこは知らない場所だった。
空は夕焼けのまま止まり、遠くに巨大なステージのようなものが見える。
ジェル「ここ……どこ?」
ジェルが呟く。
その時、どこからか声が響いた。
『選ばれし“色”を持つ者たちよ』
莉犬「な、なにこれ……」
莉犬が息を呑む。
『この世界の“色”は失われつつある。君たちの歌と想いで、再び灯してほしい』
ななもり。が一歩前に出る。
ななもり「……つまり、僕たちにこの世界を救えってこと?」
『そうだ』
少しの沈黙。
そして——
さとみ「……面白そうじゃん」
最初に笑ったのは、さとみだった。
ジェル「どうせなら、派手にやろうぜ?」
るぅと「そうですね」
るぅとも頷く。
莉犬「配信じゃなくても、俺たちがやることは一緒だし!」
莉犬の声は、もう迷っていなかった。
ころん「……しょうがないなぁ、付き合うよ」
ころんも小さく笑う。
ジェル「ほな、異世界ライブ開幕やな!」
ジェルが手を叩く。
ななもり。は、みんなを見渡して静かに言った。
ななもり「行こう。僕たちのステージを届けに」
遠くのステージが、まるで呼応するように輝き出す。
6人は走り出した。
まだ誰も知らない、“新しい物語”の始まりへ——。